シリア、3つのシナリオ

2024年12月13日付 Hurriyet 紙

シリアでバッシャール・アサド時代の終焉とシャーム解放機構(HTS)主導で反体制派に政権が移ったことで、シリアの将来に対する懸念が高まっている。

ダマスカスの統治の引継ぎを主導するHTSは、アサド政権後の暫定政府の樹立を発表したが、HTS指導者アブー・ムハンマド・ジャウラニ氏のシリア統一という公約がどれほど現実的かは不明だ。BBCの報道によれば、シリアで考えられる3つのシナリオがある。

■統一シリア

シリアの最善のシナリオは、HTSが国の運営において市民の政治組織の参加へ門戸を開くことであろう。ジャウラニ氏は現在までシリアでの様々な宗派間の団結と相互尊重についての声明を発表した。しかし、シリアには無数のグループに関する様々な問題がある。さらに2011年の内戦勃発から現在までシリア国外で作られた多数の反体制派グループや政治ブロックが存在する。これらすべてのグループがシリアに戻り、政権移行の過程に参加するのか否かは未だに不明だ。

■HTS政権

HTSがアサド政権のように権威主義的な手法で権力を集約するのではないかという懸念もある。ジャウラニ氏はHTSが公共政策や安定性を優先し、効果的に統治できることを示そうとしている。しかし、HTSに反対する人々はHTSがイドリブを統治していた時、敵対する武装勢力や反対派を抑圧していたと主張している。さらに専門家は、この組織がイドリブでの勢力をダマスカスにも広げるための十分な資金を持っていないと見ている。

■全面内戦

最悪のシナリオは、シリアが「アラブの春」後に混乱に陥った他の国々のように混乱状態に引きずり込まれていくことだ。このシナリオでは、シリアでの様々な武装勢力間でのライバル関係が広範な戦闘につながる可能性があり、シリアだけではなく、地域全体がより不安定な状態になる可能性がある。


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翻訳者:大屋千寛
記事ID:59236