シリア:アサド政権の崩壊はパレスチナ国家樹立に向けた一歩となるか?
2024年12月21日付 al-Quds al-Arabi 紙
ダマスカスにあるウマイヤド広場でバッシャール・アサド政権の崩壊を祝うシリア人たち
■「シリアの反政府運動」の成功…パレスチナ国家樹立という夢の実現を後押しするか?
【ベイルート:アナドル通信社】
13年間にわたる(反体制派に対する)殺害、拷問、強制失踪の末、シリアのバッシャール・アサド政権(2000年~2024年)が崩壊した。「叶わぬ夢」と思われていた権利を手に入れ、多くのシリア人が安堵のため息をついた。アサド家による53年の統治を含めて61年に及んだバース党政権は終焉を迎えた。
12月8日、(バッシャール・アサド)政府軍が公共機関や街頭から撤退したことで、反政府勢力側は主要都市を掌握し、首都ダマスカスを制圧した。
隣のパレスチナでは、この歴史的瞬間が、数十年にわたる不公正とイスラエルの占領に終止符を打ち、パレスチナ国家樹立という夢を実現し、14カ月以上続いている(ガザ地区での)イスラエルによるジェノサイド(大量虐殺)を止めるとの期待が高まった。
2023年10月7日以降、イスラエルは、米国の支援を受けて、ガザ地区で大量虐殺を行ってきた。大規模な破壊と飢饉の中で、多くの子供や高齢者が犠牲となった。これまでに15万2,000人以上のパレスチナ人が死傷し、そのほとんどが子供と女性である。また、1万1,000人以上が行方不明になっている。
イスラエルは何十年もパレスチナ、シリア、レバノンの土地を占領し続けている。そして、占領地からの撤退も、1967年の戦争以前の国境線に沿った東エルサレムを首都とする独立したパレスチナ国家の樹立も拒否している。
<<共通点>>
パレスチナ問題の専門家アフマド・ヒーラ氏は、「シリアでの反政府運動の勝利は、間違いなくこの地域とパレスチナの大義に大きな影響を与えるだろう」と述べた。
(後略)
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翻訳者:上水流舞
記事ID:59323