どうなる、イスタンブル・ベオグラードの森―市から農業森林省に移管
2024年12月24日付 Cumhuriyet 紙

ユマクル大臣は「手を加えさせない」と述べた。
イスタンブル広域市の手を離れたベオグラードの森は、開発されるのだろうか。
農業森林省はイスタンブル広域市(İBB)が管理するベオグラードの森で撤去工事を開始した。午前中に森林エリアに来たチームはİBBの標識を撤去し、İBB所有の備品をエユップスルタン地区にある市民の森に移したという。ベオグラードの森における展開を受け、森林地区の開発につながるだろうという見方が再燃している
サルイェルとエユップスルタンの境界に位置するベオグラードの森は、イスタンブル広域市から自然保護・国立公園総局(DKMP)に移管された。農業森林省は広域市が2013年に自然保護・国立公園第一地方総局と結んだ10年の管理契約が2023年10月で終了したことから、イスタンブル市にベオグラードの森からの立ち退きを要求していた。
広域市はサルイェル郡長を通して立ち退きに対する執行猶予を要求した。この問題について審議するイスタンブル第13裁判所は、イスタンブル市の申し立てを認め、2024年11月29日までを猶予期間としたが、同法廷では12月12日にこの猶予の要求を却下した。
これを受けてサルイェル郡は、午前6時に200人の機動隊をベオグラードの森に向かわせた。森に到着した作業班は広域市の「ヨーロッパ側の公園・庭園管理部」の看板を撤去し、警備小屋のドアをバールでこじ開け、備品を持ち出した。
午前中、デモ抗議のために集まった市民らが作業が行われているという理由で機動隊によって退けられる中、広域市に属する備品がエクレム・イマムオール市長時代に作られたエユップスルタン地区の市民の森に移されたことが分かった。ベオグラードの森の中にあるベントレル自然公園、ネシェトスユ自然公園、キョミュルジュベント自然公園とバフチェキョイとクルトケメリからの入場口は今日よりDKMPによって運営される。
■広域市からの賃貸申出は却下、裁判が続くなか立ち退きが行われる
イスタンブル広域市によって発表された声明では、「広域市に属するヨーロッパ側の公園・庭園総局」が2023年8月28日に、2023年10月で契約が満了するベオグラードの森について、国立公園法の関連規定に従い、契約期間が49年を超えない範囲で森を再びイスタンブル市に貸すように文書で請求した。その答えとして、森林内にある自然公園と入口運営は、入札による用地引き渡しが行われるまで広域市による運営は適切であるが、運営権を再びイスタンブル市に与えるよう要求することは適切ではないと述べられた。また、声明では、司法解決が残されている間に実行された移管決定に関する手続きは、イスタンブル第10裁判所で続いているが、継続中であるにも関わらず、引き渡しがはじめられたことに言及された。進行中の法的手続きにおいて裁判所は、省の決定による移管を要求したサルイェル郡に対し、情報と書類を求めて5日間猶予を与えた。
■反対派と環境保護団体からの反発
ベオグラードの森の一部はイスタンブル広域市から農業森林省に属する国立公園総局に移管され、「国立公園」に指定されて工事が行われることが公表されていた。
農業森林省のイブラヒム・ユマクル大臣はこれについて12月10日の声明で「ここは第一級の自然保護エリアだ。トルコの重要な場所である。ベオグラードの森に手を加えることは許さない」と述べていた。決定により森で行われた撤去工事は環境保護団体と野党からの反発を招いた。
北部森林防衛(KOS)は共和国に対し、「広域市の管理下にある森の一部において、機動隊を動員しての立ち退きが行われたことは、最近議題となっているベオグラードの森の5000ヘクタールのうち1150ヘクタールを、保護森林から国立公園にするという転換への布石であると見るべきだ。ベオグラードの森は、自然および歴史遺産であり、動植物の多様性という点から北部の森林において掛け替えのないものである。森林を公園として見ること、観光エリアとして建設と開発のために明け渡すこと、高速道路と建物で分断することは、イスタンブルの最後の呼吸を破壊すると同義だ。この理由から私たちはベオグラードの森が保護森林として残されるべきであるということをもう一度強調する。」と声明を出した。
決定に反発を示すCHPの地方自治体と都市回復を担当するギョカン・ゼイベキ副代表は、森林が「保護森林」のステータスを取り消され、「国立公園」となることに危機感を示している。ゼイべキ氏は「ベオグラード保護森林は、イスタンブルの稀有な水源のひとつであり、社会に清潔な水を供給し、キャウトハーネ川の水流を調整することで洪水や氾濫を防ぎ、これによって今日も居住地を保護している。このようなリスクを冒す理由はあるのか、公共の利益により利する考えや根拠がどこにあるのか」と述べた。
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翻訳者:安孫子織絵
記事ID:59338