ボル・カルタルカヤのホテル火災、犠牲者の詳細次第に明らかに

2025年01月22日付 Cumhuriyet 紙

トルコはボル・カルタルカヤの犠牲者を悼んでいる。グランド・カルタル・ホテルで起きた火災の大惨事で命を落とした76人の身元が明らかになり始めた。火災では、同じ家族内から14人、オズイェイン大学の学部長、ソズジュ紙のコラミスト、そして多くの人々が命を落とした。

ボル県カルタルカヤのスキーセンターに所在するグランド・カルタル・ホテルで夜間に発生した火事により76人が死亡し、何十人もの人が負傷した。

アリ・イェルリカヤ内務大臣は13階建てのホテルに238人の宿泊客がいたと述べた。

火事で亡くなった76人の身元はまだ明らかにされていない。イェルリカヤ大臣は、52人の身元が確認され、それ以外の人々の身元を確認するため法医学機関でDNA鑑定が行われていると発表した。

しかし、現在までに死亡が確認された一部の人々の名前は公表された。

◾️同じ家族から14人が死亡

亡くなった人々の中には、トルコ航空で働いていたザフラ・セナ・ギュルテキンさんとその家族の14人がいる。セナ・ギュルテキンさんは学校が学期休暇に入ったため、夫、3人の子供たち、親戚9人と共にカルタルカヤに来ていた。

火事が発生したのち、ザフラ・セナ・ギュルテキンさんは母親に電話し生前の許しを請うたことが判明した。火事でザフラ・セナ・ギュルテキンさん、夫、3人の子供、そして親族も亡くなった。

亡くなったボアジチ管理者財団とアスル・グループという会社の創設者の一人である事業家のビラル・ギュルテキンさんも同じ一家であった。ザフラ・セナ・ギュルテキンさんは元公正発展党(AKP)国会議員のメフメト・ギュネル氏の娘であることが判明した。

ザフラ・セナ・ギュルテキンさんが夫と子供達と共に亡くなったことを確認したというトルコ航空の声明は「ボル県のカルタルカヤで起きた悲惨な事故で営業部(第一地区)の一員であるザフラ・セナ・ギュルテキンさん、彼女の夫と子供達が亡くなりました。」と伝えた。

◾️ニル・アパックとその母親フェルダ・アパック

フェネルバフチェ・スポーツクラブの水泳部門選手ヴェディア・ニル・アパックさんとその母親フェルダ・アパックさんも火事により命を落とした。

フェネルバフチェ・スポーツクラブは、ヴェディア・ニルさんとフェルダ・アパックさんの訃報をソーシャルメディアを通じて報じ、故人たちを愛する人々へお悔やみを述べた。

◾️ルファット・ドアンと家族

クラブの経営陣はさらに、ボル・フェネルバフチェ協会ルファット・ドアン副会長の妻ジェレン・ヤマン・ドアンさんとその娘ラリン・ドアンさんも亡くなったことを明らかにした。

◾️メフメト・ジェム・ドアンと家族

MEF大学経営学修士課程の学生であったメフメト・ジェム・ドアンさんは妻、娘とともに命を落とした。

MEF大学が公式ソーシャルメディアアカウントで行った投稿では、「本学の経営学修士課程の学生メフメト・ジェム・ドアン、そして彼の大切な娘と愛する妻をボルで起きた痛ましい火災で失ったことに深い悲しみを感じています。」という文が掲載された。

◾️アタカン・ヤルチュンとその娘

オズイェイン大学経済学部の学部長であるアタカン・ヤルチュン教授とその娘のエリフ・デリン・ヤルチュンさんも命を落とした。オズイェイン大学はソーシャルメディアアカウントでヤルチュン氏と彼の娘の訃報を報じた。

◾️ペリン・ギュンギョル、アリジャンとエリフ・ナズ・ボドゥルオールとその家族、エレン・バージュ

イスタンブル男子高校教育財団(IELEV)付属私立中学校の7年生ペリン・ギュンギョルさんとその家族、トルコ教育協会(TED)イスタンブル・コレジュのアリジャン・ボドゥルオールさん、エリフ・ナズ・ボドゥルオールさんと両名の母親エブル・ボドゥルオールも命を落としたことが判明した。

TEDアンカラ・コレジュは、10年生(注)のエレン・バージュさんの訃報をソーシャルメディアアカウントで投稿した。

◾️オミュル・コタン、メルト・ドアンとその家族

タルスス・アメリカン・コレジュは、卒業生のニハト・アルカンさんの孫オミュル・コタンさんと、卒業生のメルト・ドアンさんと彼の妻ドゥイグ・ドアンさん、子供たちのマヴィさんとドアさんが亡くなったことを報じた。

◾️エスレム・ウヤヌック

料理人エスレム・ウヤヌックさんも命を落とした。ウヤヌックさんの訃報を投稿した親族は、ソーシャルメディアで彼女がホテルで働くために行っていたことを強調した。

◾️ネディム・テュルクメンとその家族

ソズジュ紙のコラミストであり、元オルドゥ・スポーツの会長であったネディム・テュルクメンさんとその妻アイシェ・ネヴァさん、娘のアラ・ドラさん(18)、息子のユジェ・アタさん(22)がカルタルカヤにおけるホテル火災で命を落とした。

ソズジュ紙は、この痛ましい犠牲を「残念ながら朝から期待していた良い知らせは来なかった」と報道した。

テュルクメンさんの娘アラさんがソーシャルメディアに共有した最後の投稿も明らかになった。

アラさんは、投稿の中で「グランド・カルタル9013号室ゲレンデ側、家族からの連絡なし、火事で閉じ込められている。SOS」と記載していた。

◾️トクジャン兄弟と子供たち

トルコ風力エネルギー協会の会員であるイノヴァト・エネルギー貯蔵ソリューションズの二人の幹部で、会社のCEOであるジャン・トクジャンさんと営業部長である弟のアトゥル・エニス・トクジャン、その子供たちであるケマル・トクジャンさん、アトラス・カアン・トクジャンさんが命を落としたことが報じられた。

ジャン・トクジャンは同時にエネルギー貯蔵産業協会(EDERER)の会長でもあった。

◾️ヤーセメン・ボンジュク・テュズギライとその家族

矯正歯科医のヤーセメン・ボンジュク・テュズギライさんとその夫エルハン・テュズギライ医師とその子供たちのデフネさんとデミルさんも命を落とした。この知らせを、ヤーセメン・ボンジュク・テュズギライさんの同僚である歯科医のブラク・ハサルさんが伝えた。

◾️ディラーラ・エルマンオール

ホテルの火災でマルディン出身のディラーラ・エルマンオールさん(24)も命を落とした。訃報を聞き、ボルにやってきた彼女の父親フェルマン・エルマンオールさんは病院の前で心臓発作を起こした。

エルマンオールさんは、医療関係者の処理ののち、治療を受けた。ディラーラさんの遺体は、検死手続きの後、マルディンのアルトゥクル郡に属する村落部のトルンテペ地区で埋葬されることがわかった。

◾️アフメトとハビベ・チェティズ

ホテルの火災で、神経内科専門医のアフメト・チェティズ医師とその妻ハビベ・チェティズさんも亡くなった。学期休みのために家族でカルタルカヤにやってきたチェティズ夫妻と、彼らの9~11歳の間の3人の子供たちも命を落とした。

子供たちのうち二人は双子であったことがわかった。チェティズ医師は45歳で、2015年にギュルハーネ軍医大学(GATA)医学部で専門資格を取得し、神経内科医として働き始めていた。

(注)トルコの教育制度は4+4+4制である.


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翻訳者:田端咲希
記事ID:59547