シリア暫定大統領、トルコ公式訪問

2025年02月04日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、大統領府で、シリア・アラブ暫定大統領アフマド・シャラア氏との会談の後、共同記者会見を行った。エルドアン大統領は、「イスラム国であれ、クルディスタン労働者党(PKK)であれ、あらゆるテロとの闘いに際して必要な支援を与える準備があることを当人に伝えた。シリア北東部にあるキャンプを統制する件でも支援を行うと再び確認した。兄弟であるシャラア氏がテロと戦う点で示した強固な意思に満足したことを表明したい。」

エルドアン大統領は、大統領府で二者会談、使節団間の会食に次いで、アフマド・シャラア暫定大統領と共同記者会見に臨んだ。

エルドアン大統領は、シャラア暫定大統領をアンカラに迎えたことに非常に満足していると述べて、以下のように語った。

「シリアの民は、13年半に渡ってあらゆる不正を受けた。化学兵器の使用を含んだ非人道的な虐殺にさらされた。百万人に近いシリアの民は、旧政権とテロ組織の攻撃を受けて、残念ながら亡くなった。数百万人にもおよぶ私たちの兄弟が、自身の国を生誕の地を離れればならなくなった。こうした状況にも関わらず、シリアの勇敢な若者たちが闘いを諦めていないなかった。その結果、勝利は12月8日にシリアの民のものとなった。まずは敬愛する兄弟シャラア氏を、彼を代表として全てのシリアの民を、彼らの戦い・勝利を再び祝福する。この機会にシリアの自由の闘いで亡くなった全ての兄弟たちに神の慈悲があることを希う。」

◾️訪問は恒常的蜜月期の始まり

エルドアン大統領は、13年間の血と涙の後は、単にシリアのみならず全地域で新たなページが開かれたとし、以下のように語った。

「シリアの民は、自身の将来を決定する上で必要な意思を持っている。トルコとしては最も希望がなく難しい日々でさえ、私たちの兄弟であるシリア人を放置することがなかったのなら、新たな時期でも私たちは必要な支援を行う予定である。このことを価値ある私の兄弟と一行に明確に述べた。歴史的な性質を持つ今回の訪問を両国にとって恒常的な蜜月期の始まりと捉えている。この先に相互訪問、接触が、願わくば、頻繁に行われるものと信じている。」

◾️「全ての問題で見解の一致にあるとわかった」

エルドアン大統領は、シリアに向けた政策の基本が、以前からこの国の領土の一体性と統一の維持にあると訴え、シャラア氏との会談もこの原則に基づいた親密な雰囲気の中で過ぎたと口にした。

また、シャラア氏とシリアの安全・経済的安定の構築に向け採るべき共同措置を検討したとして、以下のように述べた。

「まさにあらゆる問題で見解の一致があることに満足した。特に、シリア北東部を占領している分離主義テロ組織とその支持者に対して取られることになる措置を協議した。イスラム国であれ、クルディスタン労働者党(PKK)であれ、あらゆるテロとの闘いに際して必要な支援を与える準備があることを当人に伝えた。シリア北東部にあるキャンプを統制する件でも支援を行うと再び確認した。私が兄弟であるシャラア氏がテロと戦う点で示した強固な意思に満足したことを表明したい。実際に、両国及び地域の安全の点で共に同じ目標に沿って密接に協力し合うほか方法はない。願わくば、相互に支え合って行動しテロのない平和で安全な雰囲気が、互いの地で完全に行き渡るものと信じている。」

◾️「シリアの再建で必要な支援を行う準備がある」

エルドアン大統領は、シャラア氏との会談で政治動向について考察したとし、次のように述べた。

「この重要な過程の中でシリアの人々の意思を反映する形で国の統治が包括的・包含的姿勢で築かれることを重視している。人道的支援のほかにシリアの荒廃した諸都市、重要インフラを再建する上で必要な支援を行う準備がある。シリアの経済的な発展が進むにつれ、自発的に帰国するものも急速に増えるだろう。他方で、シリア向けの一連の制裁は、同国が経済的・インフラの上で回復する障害となっている。転覆された体制を対象とした制裁の解除のため我々が進めている働きかけの影響で部分的に緩和した。ただ完全な結果を得られるまで、この試みを続けていく。」

◾️シリアの民が何に成功するかを誇らしげに眺めるだろう

エルドアン大統領は、トルコが当初からシリアの民に寄り添っていたことを、具体的な措置により明示したことに触れ、次のように続けた。

「ダマスクス大使館に次いでアレッポ総領事館を再開した。トルコ航空のダマスクス便を再開した。外交分野では、新政権の、発足からここ2ヶ月で地域及び国際上の計画に関する声や真意を伝えるために、出来るだけのことをしている。新政権から我が国に訪問があるようにトルコからも閣僚・官僚はダマスクスを訪問した。このことは今後も続くだろう。貿易、民間航空、エネルギー、健康、教育といった全ての分野で関係構築を大規模に進めている。常に述べているように、『信仰があれば可能性もある。』私たちはあらゆる困難には容易さも伴っていると信じる者であり、これに従う人間である。抗う決意により地域や抑圧されている人々を感応させたシリアの兄弟たちが神が認めるところにより祖国を再起させることにいささかの疑いもない。神が長生きさせてくれれば、行きつ帰りつつもシリアの民がどういうことに成功を成し遂げるかを共に誇らしげに眺めることになろう。もちろん、そうなる上で、アラブやイスラム世界が新政権やシリアの民に必要な物的・精神的な支援を行うのは、とても、とても重要である。我々の相互訪問は地域の当事者となる上でとても価値があり、喜ばしいことである。」

◾️「尊敬するエルドアン氏をシリアに招待する」

「全く疑いなく、シリアの民はトルコの態度をどんな時も忘れることはないだろう」と述べたアフマド・シャラア氏は、以下のように述べた。

「尊敬するエルドアン氏に大いなる感謝を申し上げる。独立戦争で、シリアとトルコの血が互いに混じり合う、この勝利を手にした。トルコとシリア間の関係は歴史に基づいている。私たちの会談の中で脅威事項を取り上げた。トルコとの貿易が新たに活性化することになる。尊敬する共和国大統領をシリアに招待する。願わくは、最も短い期間でこれを実現することになろう。」

◾️会談終了

エルドアン大統領は、大統領府で、シリア・アラブ暫定大統領アフマド・シャラア氏との会談を終えた。会談は三時間半続いた。

◾️議題事項

シャラア氏は、エルドアン大統領と集ったアンカラでの折衝の中で、トルコがシリアの再建や国の開発に与える支援、PKK/人民防衛隊(YPG)の排除、イスラム国が再び安全保障上のリスクとなることがないように採られる共同措置、これらを議題とするだろう。会談の重要な議題の一つは、トルコに居住するシリア人の自発的な帰国となろう。

◾️共和国大統領を招待

シャラア氏がトルコに来ることを、ファフレッティン・アルトゥン通信局長がソーシャルメディアアカウントで以下のように発表した。

「シリア・アラブ暫定大統領アフマド・シャラア氏が、レジェプ・タイイップ・エルドアン大統領の招待を受け入れたことで、2月4日火曜日にアンカラ訪問が実現する。

大統領府で実現することになる会談では、シリアの最新の動向は全面的に取り上げられることになり、同国の経済的回復、持続可能な安定と安全構築のために両国が講じる共同措置が検討されることになる。また会談では、暫定政府とシリア国民に多面的なルートを通じて行われる支援を考えることになる。

シリアが自由に行き着いたのちに再建されるトルコ-シリア関係が尊敬するアフマド・シャラア氏とその代表団の訪問によりより強固なものとなり、規模が拡大することを信じている。」

◾️15年間ぶり

アフマド・シャラア氏のアンカラの訪問は、シリアから15年ぶりに国家元首がトルコを訪問するという点でも重要である。アフマド・シャラア氏は、共和国大統領として初外遊を一昨日サウジアラビアに向け行った。


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翻訳者:鈴木啓太
記事ID:59635