アメリカのシリア政策転換でYPGに危機感

2025年02月07日付 Milliyet 紙
米国は過去に二度、シリアから撤退しようとしたが、成し遂げられなかった。トランプ大統領の決定後、世界はシリアの動向に注目した。テロ組織のYPGは、大きな衝撃と共にニュースを受け止めた。以下はその詳細である。

米国防総省は、駐留米軍のシリアからの完全撤退を計画しているという衝撃的なニュースが、火曜日に飛び込んできた。NBCニュースは、内情に詳しい二人の国防総省関係者による同局へのコメントをもとにこれを報じた。エルサレム・ポストの分析によると、「ペンタゴンがこの種の可能性を意図した計画を立てることは、実際のところ、それほど驚くべきことではない」という。

■「近日、検討されるだろう」

なぜなら、第一期トランプ政権は、2018年と2019年にシリアからの撤退を二度検討した。しかし、議会の多数が反対したこと、反応の増大、ISIS(DEAŞ)に対する懸念が高まったことが撤退の障害となった。トランプ大統領は2019年の年末に、ジェームズ・マティス国防長官に対してシリアからの全ての米軍撤退を指示した。マティス長官は、これに反対し、その後抗議の意を示して辞任した。

トランプ大統領は米軍の多くを撤退させたが、その後再派遣した。シリアでの米軍駐留は当時から現在まで続いている。エルサレム・ポストの報道では「見ている限り、政権は近いうちにシリア政策を再検討するだろう」と分析された。また、NBCニュースの報道では、ペンタゴン当局者が30日、60日、または90日以内に完全撤退する可能性があるとしたとも伝えられている。

■テロ組織にも衝撃

NBCニュースの報道後、イスラエルのKANチャンネルでも米国がシリアから撤退する件に関する報道があった。KANチャンネルによると、テロ組織YPGは米国の撤退の報道を懸念とともに受け止めた。エルサレム・ポストによると、「多くのYPG戦闘員は、この撤退を望んでいない。」として、これを「米国のパートナーを見捨てる混乱を招く撤退」と表現している。

■米国のシリア介入

米国は2015年、ISISに対する作戦の一環としてシリアに部隊を派遣した。最新の情報によると、シリアには約2000人の米兵が駐留しており、彼らはユーフラテス川東岸の様々な基地や拠点で活動し。テロ組織YPGと協力している。また、タンフにも部隊が配置されている。

■トランプ:「シリアにはシリアの混乱がある」

先週、ホワイトハウスの大統領執務室(オーヴァルオフィス)で開かれた記者会見で、ある記者がトランプ大統領に「米軍のシリア撤退についてイスラエル政府に事前に知らせたという報道は本当か」と質問した。それに対し、トランプ大統領は「そんなことを言ったのが誰なのか分からないが、この件については決断を下すつもりだ。我々はシリアに介入していない。シリアにはシリアの混乱がある。あそこはすでに十分混乱している。我々がすべてに関与する必要はない」と答えた。


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翻訳者:大屋千寛
記事ID:59650