ヨーロッパの悩みはウクライナ、ギリシャの悩みはトルコ?
2025年03月07日付 Hurriyet 紙
ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は、昨日ブリュッセルで開催されたEUサミットで、国名の明言は避けながらもトルコを念頭に置いた発言をし、ギリシャのメディアもヨーロッパがギリシャとキプロスの国益を無視してトルコの側についていると非難した。
米国のトランプ大統領がロシアに近づいてウクライナへの軍事支援を中止したことを警戒しているEU各国は、昨日ブリュッセルで開催されたEUリーダーズサミットに集まった。加盟国のリーダーらが、8000億ユーロ規模の新しい防衛計画とウクライナへの支援について話し合っていた一方、サミットに参加したギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相が取り上げたのは全く異なる話題だった。
■ミツォタキスの悩みはトルコ
ミツォタキス首相は昨日ブリュッセルで開催された欧州防衛に関する臨時欧州委員会サミットで演説し、ヨーロッパ大陸の安全保障が包括的に見直されるべきだと述べた。政府筋によると、ミツォタキス首相は、防衛の概念がヨーロッパの東の端で区切られるべきではないと強調し、西バルカン、地中海地方南東部、中東に安全保障上の脅威があると主張した。
ギリシャのニュースポータルサイトNews247の報道によると、ミツォタキス首相はこの発言で欧州同盟国に対し間接的にトルコを示唆しており、トルコの地中海南東部における動向が注目された。
■英国でのサミットにはギリシャではなくトルコが招待された
News247は、先週日曜に英国が主催したヨーロッパの防衛とウクライナ問題に関する首脳会議には、ギリシャではなくトルコが招待されたと記したうえで「欧州連合諸国がトルコをヨーロッパの防衛に引き入れようとする試みは、これが初めてではない。英国、ドイツ、米国も2000~2003年の間の議論で、トルコを欧州軍の仲間に加えることを試みていた」と報じた。
■トルコについて:ヨーロッパの共同防衛国として見ていることは明らか
News247は「英国はもうEUメンバーではないが、フランスに対抗する形で欧州防衛の主要な役割を担おうとしており、一方で他の中欧・北欧の国々はトルコを潜在的な共同防衛国と見ていることは明らかだ」としており、EUの外務・安全保障政策上級代表であるカヤ・カッラス氏がブリュッセルでの会合についてトルコに個人的に連絡したと報じ、以下のように続けた。
■「我々の国益を無視してトルコを選んだ」
「トルコがNATOで2番目の大規模な軍を保有し、ヨーロッパの防衛産業の最大顧客であることは、我々の同盟国がギリシャとキプロスの国益を無視しトルコを選んだ理由を示している」
■キプロスでトルコに関する消化不良
南キプロス・ギリシャ共和国(キプロス)のニコス・フリストドゥリディス大統領は、ウクライナ危機におけるトルコの役割について不快感を明確に示しており、トルコ・ロシア間の関係を引き合いに出し、トルコはウクライナ情勢についてEUのリーダーが話し合う会談に出席すべきではないと述べた。
この記事の原文はこちら
翻訳者:神谷亮平
記事ID:59789