エジプト:政権批判や人権擁護を理由に300人の女性が投獄
2025年03月09日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト、300人の女性受刑者が、政権への反対または人権擁護のために投獄される
【カイロ:本紙】
シハーブ人権センターは、エジプトの刑務所には300人以上の女性が収容されており、彼女たちの一部は政権への反対や人権擁護活動を理由に拘束されていると報告した。
同センターは国際女性デーに際して発表した声明で、現在の政権がエジプトの統治を担って以来、エジプトの女性たちは国内の政治的紛争のために多大な犠牲を強いられていると指摘した。
さらにエジプト当局が、女性の扱いに関する「レッドライン」であるところの、国内外のあらゆる規範を侵害していると非難した。また、反体制派の女性の逮捕が常態化しており、事件のねつ造や、公正の最低基準すら欠いた不当な判決にさらされていると指摘した。さらに、女性の尊厳や自由の侵害が政権関係者の日常生活における自然な慣行となっており、それに伴い反体制派の女性たちは多くの人権侵害に苦しんでいると述べた。その具体例として、し意的な拘束、無期限の予防拘留、新たな事件での再逮捕、拷問を伴う強制失踪、性的暴力に加え、国外渡航禁止リストへの掲載、入国時の監視、パスポートや身分証明書類の発行・更新の妨害などが挙げられる。
同センターは声明のなかで、「多くの女性が強姦やハラスメント、衣服を剥ぎ取られるといった被害に遭い、その他のさまざまな人権侵害を受けている」と続けた。
さらに、「司法および治安当局は、反体制派の女性たちに対し、予防措置や治安監視といった数多くの手段を用いている」と付け加えた。
同センターによると、2024年の前半だけで強制失踪した女性は44人にのぼり、その後、最高国家安全保障検察に出頭させられた。この数は、全国にある地方および中央の検察に出頭させられたケースを除いた数であり、また、逮捕直後に検察へ送致された女性も含まれていない。
さらに声明は、昨年4月23日にカイロの国連本部前でガザの女性たちに連帯する集会を組織していた11人の女性が逮捕された事件に言及した。
また、「現在のエジプトの状況は、当局が女性に関する国際条約を遵守しておらず、さらに国内法に基づく義務すら履行していないことを示している」との見解を示した。
さらにエジプト当局に対し、あらゆる形の女性への権利侵害を停止し、女性が直面しうるいかなる権利侵害からも保護することを保証する国際条約や、エジプトの憲法上・法律上の規定を遵守するよう求めた。
エジプト自由・権利委員会(ECRF)は、政治的や意見・表現の自由に関する事件に関連して収監されている全ての女性の即時釈放を求めた。
同委員会は、著名な学者であり、政治活動家アラー・アブドゥルファッターフ氏の母であるライラー・スウィーフ博士に対し、深い敬意を表すると述べた。彼女は、長年の投獄を経た息子の自由のためにハンガーストライキを続けている。
スウィーフ氏は、息子が刑期5年を満了したにもかかわらず釈放されないことを受け、彼の権利を守るために150日以上のハンガーストライキに入ることを決意した。
同氏は、イギリス政府に対し、エジプトとイギリスの二重国籍を持つ息子の釈放に向けた介入を求め、圧力をかけるため、カイロとロンドンを行き来している。
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翻訳者:新藤花絵
記事ID:59807