NATO、EUとトルコに関係改善を要める

2025年03月11日付 Milliyet 紙

英紙フィナンシャル・タイムズの報道によると、米国大統領ドナルド・トランプ氏は欧州の安全保障には干渉しない姿勢を貫いており、欧州各国は同盟関係を急速に見直す必要にあるなか、北大西洋条約機構(NATO)は欧州とトルコの関係改善を呼びかけた。

英紙の報道では、NATO事務総長マルク・ルッテ氏の声明について知る関係者によると、ルッテ氏はEU首脳に対し、長年緊張関係にあったレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領との協力関係を強化するよう求めたという。ブリュッセルがトルコとEU非加盟国である他の近隣諸国と団結する方法を模索する時期に生じたこうした事態の展開は、欧州の防衛力のさらなる強化にむけた一環であるとした。

トランプ氏は、米国がNATO同盟国向けの安全保障から撤退すると脅すとともに、ロシアとの関係を改善し、ウクライナへの支援を削減する意向を示しているため、欧州各国は懸念を抱いている。

一部のEU諸国は、防衛費増額を支持しており、ノルウェーや英国などのEU非加盟国を含めた「有志国連合」との協力関係を支持している。

報道では、ハカン・フィダン外相が今月の初めにロンドンにでの欧州軍首脳会議に出席し、そこではウクライナへの支援やより包括的な防衛問題について取り扱ったという。

この会合が、ルッテ事務総長が2月にEU首脳と昼食会を開催し、トルコとの協力強化の重要性を強調し、会議出席者たちに共通利益のためにアンカラと協力するよう呼びかけたのちに、実現につながったとされた。

◾️「ロシアに対する態度を明らかにする必要がある」

英紙フィナンシャル・タイムズは、ルッテ事務総長の報道官にコメントを求めたが拒否を受けたと指摘した。オランダの元首相であるルッテ氏が在任中にエルドアン氏と激しく衝突したことに触れた。

あるEU高官は「現実は変化している。ある時点で存在する問題に関係なく、誰と共に戦うのか決定する必要がある」とコメントし、トルコとの関係について言及した。

「しかし、ロシアに対する態度を明らかにする必要がある」と発言した。

「トルコは、ロシアのウクライナ侵攻後の対モスクワ制裁について、EUや他の西側同盟国とは異なり、ロシアとの経済・エネルギー面での結びつきを維持し続けている。アテネはトルコが制裁に加わっていないことに不快感を示した」と述べた。


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翻訳者:安孫子織絵
記事ID:59811