シリア:アフマド・シャルア暫定大統領とシリア民主軍が合意を結ぶ
2025年03月12日付 Al-Nahar 紙
■シリア政府とSDFの間で合意:シャルア暫定大統領が持つ政治的資本とクルド情勢の変化
【本紙】
米国の仲介と円滑化支援のもと、自治行政府とシャルア暫定大統領の双方の代理により2月に始まった一連の交渉を経て、「シリア民主軍」(SDF)とシリア移行政権の間での合意が突然発表された。
この合意およびその発表は、非常にセンシティブなタイミングで行われた。というのも署名がされた際は、シリア沿岸部で残虐なエスカレーションが起こったりと、政治的にも戦闘の場においても大きな問題の最中にあり、シリア問題を話し合う国連安保理の非公式会合に加え、米国とヨーロッパ諸国の高官も、同地でのアラウィー派に対する虐殺の責任がイスラーム過激派にあるとする厳しい声明を複数出していたところだった。
一方合意内容は、双方の合意点に注力するという共通の希望が反映された形になったが、もっとも重要でセンシティブとされる相違点の問題は棚上げされるか、合意が成されるするか失敗するかを判断する「実行委員会」に委任されることとなった。
<<シャルア暫定大統領の政治的資本>>
この合意は、アフマド・シャルア暫定大統領の正当性を強化するという観点から、同暫定大統領の政治的資本であるとみなされている。合意以前、暫定大統領は政権奪取以降の危険な戦況の第一段階のコントロールに失敗し、劇的かつ残酷に移り変わる数々の事件の抑制ができず、その結果シリア沿岸部の数十のアラウィー派の町や村が3日間にわたって虐殺や民族浄化にさらされた、と非難され、暫定大統領を糾弾する声が高まっていた。
(後略)
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翻訳者:大森耀太
記事ID:59817