遅霜・寒波による農業被害、深刻

2025年04月13日付 Milliyet 紙

春になってからの冬型気候が農業を直撃。ブドウ名産地マニサ県ではブドウ畑の70%が霜害を受け、さらにアプリコットからクルミに至るまで、ほぼすべての作物で深刻な収量減が懸念される。

春を待っていたはずのトルコは厳しい冬の気候に直面した。気温はマイナス5~10度まで下がり、さらに降雪が農業生産を直撃。気象総局は、今後数日間は霜リスクが継続する可能性があると注意喚起しており、農家は大きな不安を抱いている。

■ブドウ畑に大打撃

マニサ県では寒波の影響でブドウ畑が霜に覆われ、畑の80%が被害を受けた。トゥルグトゥル農業会議所のアブドゥッラー・シェノール会長はMilliyet紙に、同地域のブドウ畑の80%が被害を受けたと語った。

同会長は、「マニサ県全体で950万アールのブドウ畑があり、そのすべてで被害が出ている。アラシェヒル地区、サルギョル地区、サーリヒリ地区、アフメトリ地区、ギョルマルマラ地区、トゥルグトゥル地区、シャーザーデレル地区、サルハンル地区、アクヒサル地区のブドウ畑でも大きな被害が出ている。もしまた霜が降りたらブドウ畑は根こそぎやられてしまい、すべてが終わるかもしれない。そうなれば、今夏、道端の屋台でブドウを見かけることはないだろう。もし見つけたとしてもとんでもない価格になっているはず」と述べた。

■「プラムやサクランボも被害」

シェノール会長は、果樹にも霜の影響があるとし、「特にプラムは昨年比40%の収穫減が見込まれる。標高600~700メートル地域のサクランボ果樹も大被害を受けた。最大20%程度の収穫量減の可能性がある。さらにクルミとモモの生産にも悪影響が出ている」と説明した。

■農家は苦境

マニサ県ギョルマルマラでブドウ畑を所有するギュンギョル・レヴェント氏も、同地域のブドウ畑の大半が被害を受けたと述べた。同氏は、マルマラ湖の干上がりが気候変動の引き金となり、それによって霜害が起きたと述べ、ブドウ生産は危機的段階だと述べた。同氏は、「損失は70~80%程度で数十億トルコリラに相当。これから厳しくなる。再び霜害を受ければ生産はストップする。残念ながら今年はもう取り戻せない。来年はどうなることやら」と話した。

■アプリコットからクルミまで、農業は凍結状態に

テキルダー県では芽を出し始めたブドウ農家が霜害を受けた。アプリコット生産の85%を占めるマラティヤ県ではアプリコット農家が霜の被害を受けた。

マラティヤ商品取引所(MTB)のラマザン・オズジャン所長は、「我々に年間5億ドル以上の収入をもたらすアプリコットがすべて失われてしまった」と述べた。同所長は、今回の事態は自然災害だとし、大麦・小麦を除き、県内の全作物が被害を受けたと述べた。

■農家は火で霜対策

エラズー県でもアプリコット、クルミ、アーモンドが「雪」と霜に襲われた。生産者にとって今年の収穫の大部分が失われたと明らかにされた。オルドゥ県とサカルヤ県ではヘーゼルナッツが霜害が受けた。ブルサ県イネゲルの果樹農家らは、開花した果樹が被害を受けないよう農園で火を焚いた。ネヴシェヒル県の農家でもアーモンド農園が藁やタイヤ等を燃やし、「霜」対策を講じた。ウスパルタ県でもバラで30%、サクランボ、モモ、アプリコットで40~50%の被害が出たと発表された。チョルム県オーズラル全域でも果樹のほとんどが被害を受けたと明らかにされた。


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翻訳者:原田星来
記事ID:59960