イスラエル占領軍がヨルダン川西岸の村々に侵入し、数多くのパレスチナ人が負傷

2025年04月25日付 al-Quds al-Arabi 紙

■イスラエル占領軍がヨルダン川西岸の村々に侵入し、数多くのパレスチナ人が負傷

【ラマッラー:アナトリア通信】

金曜の夕方、イスラエル占領軍と入植者らが、占領下ヨルダン川西岸地区の中部および南部の村々を攻撃した結果、児童1人と女性1人を含む多くのパレスチナ人が負傷した。

パレスチナ保健省は簡潔な声明で、「ラマッラー市(中部)の北にあるスィンジル町出身の人物が、イスラエル占領軍の銃撃により背中を撃たれて重傷を負い、サルフィート公立病院に搬送された」と発表した。

パレスチナの公式通信社『ワファー』は、イスラエル軍が、スィンジル町の南にあるジャバル・タッル地区で、入植者らが行った侵入の試みに抵抗していた同町出身の若者らに向けて発砲したと伝えた。また、これにより彼らのうち一人が実弾を受けて負傷したとされるが、これ以上の詳細については明らかにされなかった。

同通信社はさらに、「金曜の夕方、数十人の入植者らが再びジャバル・タッル地区への侵入を試みた。これに対し、町の若者らは入植者らが住民の家々に向かって進むことを阻止するため、いくつかの地点に火を放った」と付け加えた。

この地域では、ここ数日、入植者らによる広範囲な攻撃が続いており、そのためこれまで住民1人が死亡し、複数の家屋や車両、財産が消失したという。

パレスチナ保健省は月曜日、スィンジルでイスラエル軍が発射した催涙ガスにより、住民1人が窒息死したと発表した。

「壁と入植地抵抗委員会」(政府系)のデータによると、イスラエル人入植者らは、今年最初の3か月間でヨルダン川西岸地区のパレスチナ人とその財産に対して計860件の攻撃を行った。これらの攻撃には、「パレスチナの都市やコミュニティに対する襲撃、財産への攻撃、土地の更地化」などが含まれているという。

別の出来事として、『ワファー』は、イスラエル軍がバイト・ラフム(ベツレヘム)市南のバイト・ファジャール村に侵入した際、パレスチナ人の児童1人が同軍の銃撃を受けて負傷したと伝えた。

さらに同通信社は、「占領軍がバイト・ファジャールに侵入し、町の中心部に駐留したのち、実弾と有毒ガス弾、音響爆弾を発射した。その結果、16歳の児童が骨盤に銃弾を受けて負傷した」と説明した。

またパレスチナの公式ラジオ「パレスチナの声」は、「イスラエル軍の兵士らが村の商店を襲撃した際、女性と数多くの若者たち(詳細な人数不明)に激しく殴打を加え、彼らを負傷させた」と報じた。

同ラジオは、彼らの負傷の状態については明らかにしていない。

また同ラジオによると、先週の金曜日に、占領下西岸地区の北部にあるジェニン市近郊で、パレスチナの若者2人がイスラエルの軍用車両にひかれて負傷した。

ガザでのジェノサイドと並行して、イスラエル軍と入植者らはヨルダン川西岸地区での攻撃を激化させており、その結果、パレスチナのデータによると、これまで957人以上のパレスチナ人が死亡し、約7,000人が負傷、また16,400人の拘束事例が記録された。

2023年10月7日以来、イスラエルは米国からの無条件の支援を受けて、ガザでジェノサイドを行っている。その結果、そのほとんどが子どもと女性である168,000人以上のパレスチナ人が死傷し、さらに11,000人以上が行方不明となっている。


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翻訳者:田内香凜
記事ID:60011