イスラエル機はトルコの領空侵犯をしたのか?

2025年06月19日付 Milliyet 紙

国防省筋は、イスラエル機がイランに向けた航空攻撃を実行した際、トルコの領空侵犯を行ったという主張に返答した。

国防省報道広報顧問兼同省報道官であるゼキ・アクトゥルク准将は、同省で行われた各週のブリーフィングで話した。

ゼキ・アクトゥルク准将の声明は次の通り。

「我が国の国防と安全保障の担保であるトルコ国軍が我が国の平和、安全保障、安定のために実施する作戦は、捜査・探査と国境警備活動の範囲で過去一週間で、

・イラク、シリア北部の保護地区から脱走したクルディスタン労働者党(PKK)の5人のテロリストは投降した。
・ペンチェ、キッリトをはじめとする作戦地域で確認されたテロリストに属する洞窟、隠れ家、シェルターで押収された大量の武器、弾薬、様々な材料を使用不能な状態にした。

最高レベルで安全保障が設置されている我が国境はというと、1週間で2人がテロ組織と繋がりのある計122人が拘束され、1月1日から今日までに我が国の国境を不法に越境しようとした際に拘束された人の数は2681名にまで達した。過去1週間で拘束された1342名を加えると、年内に我が国の国境で拘束された人の数は3万8979名となった。

イラン・イスラエル間の衝突に続き、現在まで我が国の国境であらゆる不法越境の試みは増加していない。トルコ国軍は、潜在的な移民の動きに対する積極的なアプローチを採って、必要なすべての安全措置を継続的に講じている。また、今週にハタイ国境上で行われた国境警備活動で17kgを超える(正確には17.049gの)麻薬が押収された。1月8日に始まった「トンネル破壊」活動の中では、今日までにテル・ルファト地域で157㎞、マンビジ地域で131㎞のトンネルが破壊された。」

◾️イスラエル・イランの衝突

国防省の情報筋は、イスラエル・イランの衝突に関する質問を受けて、次のように評価した。

「イランの核計画に関する問題を外交的手段で解決することを目指す交渉が続けられている最中に、イスラエルは国際社会と地域平和を危険にさらし、国際法を侵害して隣国イランを攻撃した。イスラエルの、ガザ、レバノン、シリア、イランに向けた攻撃的な政策は地域の脆弱な均衡をさらに崩壊させている。イスラエルは、戦争の流れをさらに拡大させることになる発言や攻撃から直ちに手を引かなければならない。イスラエルの空爆が開始されたことで、我が国の領空と国境の防衛のために必要な措置が強化された。世界で最も近代的で、最も尊敬され、最も強力な軍隊の一つであるトルコ国軍は、過去同様に、今日も明日も国と国民を守る決断・決意をもっているし、その能力もある。」

◾️イスラエル機がトルコの領空を侵犯したというニュース

国防省の情報筋は、イスラエル機がイランに向けて空爆を行った際、トルコの領空を侵犯したとするニュースに関して、次のように述べた。

「イスラエル機が攻撃初日に我が国の領空を侵犯したという情報は正しくはない。攻撃の最初の瞬間から、両国の航空動向は監視されており、イスラエル機が我が国の領空を侵犯する可能性があると、警戒反応した我が国の航空機が離陸し、国境内で警戒反応と空中警戒任務の実行が開始された。」

◾️トルコの防空システム

国防省筋は、イスラエルとイランの衝突が続く中、トルコの防空システムに関する質問について次のように述べた。

「トルコの領空およびミサイル防衛は、非常に重層的で総合的な状況に対応するものとして、国産のレーダー、防空システムを用いて指揮統制能力と技量の開発に努め続けている。

ダイナミックな構造を持ち継続的に改良されている防空兵器システムと、我々の軍隊が戦闘準備段階の最高レベルで保たれるようにと、必要な措置が講じられている。」

◾️イランからトルコへ移民の波の可能性

国防省筋は、イスラエルのイランに対する空爆作戦が続く中、イランからトルコへ移民の波が生じるかどうかという質問に次のように情報を共有した。

「トルコ国軍は、トルコの国境防衛を確保するため、最高水準の技術システムと人員を擁して四六時中任務に当たっている。イラン国境を含むすべてのわが国の国境で、追加措置と厳重な防衛措置が取られ、あらゆる制御不能な移動の動きは発生していない。

当該主張は、偽情報であり、トルコへ向かう大量の移民の波の存在について、いかなる具体的なデータや公的な確認はない。国境地帯で定期的な安全巡回が継続しており、状況は密接に監視されている。

トルコ国軍は、地域動向に対するあらゆる種類の事態に備えている。国境防衛または潜在的な人道的危機に対処する能力は、我が国の関係機関と協力する形で最高レベルに保たれている。トルコは、地域の安定を支え、人道的責任を果たす国として、統制・秩序ある形で行動している。」

◾️アナトリア・イーグル2025演習

国防省筋は、多くの国の航空機が参加するコンヤでの「アナトリア・イーグル2025演習」に関して次のように述べた。

「計画を2024年に始めた国際アナトリア・イーグル2025演習は、7月23日から7月4日にコンヤで実施される。これは、一年前から計画された訓練である。

当該演習には、米国、アゼルバイジャン、カタール、ハンガリー、エジプト、サウジアラビア、ヨルダンは事実上の参加で、ブルガリア、ブラジル、マレーシア、マリ、ナイジェリアはオブザーバーとして参加することになる。

参加国の航空部隊間の教育・協力・協働のレベルを高め、パイロット、防空要員、管制官の作戦教育水準を向上し、さらに共同/統合運用手順を試して、任務の効果を最大レベルまで高めることにある。

演習の範囲内で、参加部隊の編隊内で空対空、空対陸の両方の任務を遂行するための二重の役割教育、トルコ国軍の装備にある電子戦装備と脅威システムを用いて実戦上で対応するため潜在的脅威や撹乱方法に向けた教育を行って、統合共同任務上で上位に当たる、近接航空支援、水上部隊に対する航空作戦、緊急性のある標的設定、柔軟な標的設定および類似任務が実行されることになる。」


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翻訳者:佐田優美香
記事ID:60344