アルジェリア:アルジェリア国内でUAEのアフリカ接近への懸念が生じる

2025年05月22日付 al-Quds al-Arabi 紙

■UAEのアフリカ接近にアルジェリアが警戒感…UAE閣僚がマリ・ニジェールを訪問

アラブ首長国連邦(UAE)のシャフブート・ビン・ナヒヤーン国務大臣が率いる代表団によるマリおよびニジェール訪問が、アルジェリア国内で警戒を呼んでいる。とりわけ今回の訪問が、戦略的後背地とされるサヘル地域において、アルジェリアと複数の近隣国との関係が悪化するなかで行われたことから、UAEの意図に対する懸念が広がっているのである。

マリの現地報道によれば、シャフブート国務大臣の訪問は、両国間の二国間関係を強化し、協力分野を拡大することを目的としたものであるという。バマコのコロバ宮殿では、移行政権のアシミ・ゴイタ大統領との会談が行われ、安全保障、テロ対策、金融、エネルギー、住宅、インフラなどの重要分野における協力の拡充が協議されたと伝えられている。

一連の協議のなかで新たな複数の合意文書が交わされたことは、1985年のザーイド・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーン初代大統領によるバマコ訪問以来、長年にわたり構築されてきた戦略的関係の延長線上にあるとみられている。報道では、近年こうした関係が顕著に深化し、社会住宅支援や再生可能エネルギー事業、インフラ開発といった分野におけるUAEの出資案件が増加していることにも言及された。

また同報道は、今回の訪問がUAE政府によるアフリカ戦略の一環であり、特にサヘル諸国との関係拡大を通じて自国の経済的・安全保障上の利益を確保すると同時に、地域の開発と安定への関与を強化する狙いがあるとの見方を示している。

ゴイタ大統領はUAE代表団を迎えた際、マリが掲げる新たな主権原則に基づく国際協力のあり方を強調しつつ、同国の発展と安全保障に対するUAE政府の継続的支援に謝意を表明した。


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翻訳者:バングーラ・ナフィサトゥ・ジョイ
記事ID:60572