全土で雨不足、湖沼は悲鳴

2025年08月23日付 Cumhuriyet 紙

トルコの湖沼が干ばつの危機にある中、ベイシェヒル湖をはじめとした複数の湖沼に対して農業・森林省が緊急活動計画を始動した。専門家は制限のない水の使用は最大の脅威につながると強調する。

トルコの湖沼が干ばつの危機にあると警告されている。コンヤ県とウスパルタ県にまたがるベイシェヒル湖の水位は複数地点で岸から約300m引いていると記録され、ベイシェヒル水産協同組合のハサン・クルト組合長は「言うことは一つだけある。ベイシェヒル湖は死んだ。全国にお悔やみ申し上げる。」と述べた。
この状況に対して農業・森林省は干ばつの危機にある湖沼に対して緊急活動計画の準備を開始した。計画の中ではベイシェヒル湖、アクシェヒル湖、エベル湖、バファ湖、ブルドゥル湖、イズニク湖、セイフェ湖、サパンジャ湖での水位低下、水質悪化と葦原の消失に対策するための、包括的な対処が適用される。

■専門家から深刻な警告

メルスィン大学水産学部のデニズ・アヤス教授は活動計画を評価し、湖沼における最大の脅威は制限のない水の使用であると強調した。アヤス教授は「ベイシェヒル湖は生態学的、社会経済学的観点からきわめて重要だ。湖が完全に干上がり魚、鳥、葦原がなくなることは生物学的多様性の喪失を意味する」と述べた。
アヤス教授は活動計画における対策の中には灌漑システムの近代化、地下水の使用制限、流域間の水の移動、飲料水や上水道網でロスを減らすこと、使用した水の再利用、水道効率化計画が含まれると述べた。

■流域間の水移動とリスク

アヤス教授は流域間で水を移動することは技術的には可能である一方で、生態系へのリスクを含んでいると述べた。「水の移動は異なる種の輸送につながるかもしれず、生物学的多様性の脅威となりうる。また取水先流域でも生態系が悪化しうる。」と述べた。

■生態系の修復と社会的認知

アヤス教授は計画は順調に開始すると述べ、生態系の修復は長期間にわたり、また資金繰りや地方自治の確実性、社会が主導することが成功につながると述べた。加えて、湖沼の未来のためには汚染負荷の減少と農業排水の管理が極めて重要であると強調した。
アヤス教授は気候変動によって湖沼での蒸発が増えたことと不規則な降水が合わさって水位がさらに危機に陥ると振り返ったうえで、「トルコのすべての湖沼のために、この計画の実施はもはや必須である」と述べた。


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翻訳者:伊藤梓子
記事ID:60693