■エジプトは「TikTok」を近いうちに禁止するかもしれない...これらの理由で

【ロンドン：本紙】

エジプト当局は、現在動画視聴数で世界第一位となった、中国の有名なソーシャルメディアアプリ「TikTok」を禁止する可能性がある。

エジプト国務院第三部局は、有名アプリ「TikTok」、「Tango」、「Sogo」といった類似するいくつかのアプリを、エジプト国内のインターネットから排除するよう求める訴訟の最初の審理を9月8日に行うことを決定した。

本告訴は、これらのアプリが「エジプト社会の価値観に対する甚大な脅威であり、宗教的、道徳的規範を揺るがす明白な逸脱」であるとみなしており、管轄当局がこれを審理し、判決を下す予定ことが予定されている。

こ審理期日の決定は、エジプト内務省がこれらのプラットフォームを通じて活動する一部のコンテンツクリエイターに対する大規模な一斉取り締まりを拡大している時期と重なっている。複数の治安筋が『アラビー・ジャディード」に述べたところによれば、ここ数週間で、「公序良俗を害し、放縦と不道徳行為を扇動するコンテンツを配信し、電子的手段を通じて違法な利益を獲得した」との容疑のもとで、10人を超える「TikTok」の有名インフルエンサーが逮捕された。

行政裁判所に提起された告訴は、「TikTok」やこれに類似する数々のアプリが、「表現の自由やコンテンツ制作の名のもとに、わいせつ、ポルノ、そして行動の逸脱を助長するプラットフォーム」と化しており、これはイスラーム法を筆頭とする天啓宗教の教義と相反するものだと指摘した。

告訴状は、「若者の間に道徳的退廃の現象を蔓延させ、深く根付いたエジプトの価値観に反する逸脱した行動を彼らに促している」と警告し、「TikTok」上の一部のインフルエンサーが、数百万人のユーザーの視覚・聴覚の前で、風紀に反する行動を公然と拡散し、卑猥な言葉や不品行な動作を公開し、そして若者の精神を堕落させる露骨な性的暗示を行っている」と指摘した。

本訴訟の最初の審理期日の決定は、数週間前からエジプトで起きている急速な流れのなかで、治安当局がSNS上で活動する一部のインフルエンサーを追跡する取り組みを強化したのちになされたものである。これらのインフルエンサーは、当局が「不道徳」、そして時に「公序良俗を乱し、若者に悪影響を及ぼす」とみなすコンテンツに関与した人々である。

治安当局の一斉取り締まりには、検察当局が「放縦を扇動するもの」とみなした性的暗示や踊りを含む動画を公開したとされるコンテンツクリエイターらの逮捕も含まれ、加えて彼らはアプリを使用して、「不法な利得を獲得し、また違法に金銭を得るために電子プラットフォームの知名度を悪用した」と指摘されている。

もし裁判所がアプリの禁止を決定した場合、これはエジプトにおいて行政裁判所がこの種のデジタルプラットフォームを禁止する直接的な判決を下す初の事例となる。