ドイツ地方選挙、トルコ系候補も多数

2025年09月12日付 Milliyet 紙

ドイツは、9月14日の地方選挙の投票に向かっている。この選挙には、多数のトルコ系候補者が出馬する。その詳細は…。

ドイツの中でもトルコ系住民が多く住み、1800万人以上の人口を抱えてドイツで最も人口の多い州であるノルトライン・ヴェストファーレン州で、9月14日に行われる地方選挙と統合評議会(Integrationsratswahl; integration council)選挙に多数のトルコ系候補者が出馬する。

◾️「すべての人が投票に行くべきだ」

同州最大の町ケルンに住むトルコ系住民は、極右政党が票を増やしている今期、政治参加の重要性をとりわけ強調し、すべての人々へ投票に行くよう呼びかけた。

ドイツの企業で幹部を務めるメティン・アイドゥン氏は、ドイツのトルコ人コミュニティが地方選挙に票を投じ、政治参加をすることが大きな役割を持つと強調し、極右政党の「ドイツのための選択肢(以下AfD)」が台頭していることに対して民主的な道を求めて闘わなくてはならないと述べた。

◾️「トルコ人コミュニティの抱えてきた問題が解決する可能性がある」

9月14日に行われる地方選挙で、すべての人が必ず投票するよう呼びかけたアイドゥン氏は、トルコ人コミュニティがドイツ国内の問題に解決策を示すことのできる、影響力のある集団であると信じており、その活動を政治の場でも示すべきであると語った。

AfDのような極右政党が、ドイツだけでなくヨーロッパ全土で台頭していることに注意を引いたアイドゥン氏は、このような考え方を持つ人々がトルコやムスリムのみならず自らの社会にも損害を与えており、こうした層の人々に向けた社会の良識を備えた人々の民主的な姿勢が効果的となるだろうと語った。

◾️「身分証をもって投票することができる」

ケルン統合評議会に所属するアリ・エセン氏は、「信用(Güven)」の候補者として25年間ケルンの人々を、国民的・精神的な価値に忠実に代表してきており、この文脈で、再び立候補したと語った。

統合評議会が外国にルーツを持つ人々に与えられた唯一の政治的権利であると説明したエセン氏は、あらゆる機関と接触することのできる同評議会の重要性を強調した。

同氏は、市民に9月14日の日曜日に行われる選挙で投票するよう呼び掛け、次のように述べた。

「もし選挙で皆さんが投票していなくても、もしくは届いた案内を広告だろうと思って捨ててしまっても、近所の学校に行って身分証を提示して、統合評議会に投票することができる。もしドイツ国籍を持っているなら、市長と自治体議会議員を選ぶ権利がある。」

◾️「最良の答えは選挙結果から得られる」

ケルン近郊のベルクハイムにある統合評議会に属するエルハン・シャーヒン氏は、すべての人が民主的な権利を行使することができるよう、9月14日に行われる選挙での投票を呼び掛けた。

ハイマート・ベルクハイム党派から再び立候補したシャーヒン氏は、次のように述べた。

「我々は、ハイマート・ベルクハイム・グループとしてビジネスマン、学生、雇用主、職人、学者、すなわち社会のあらゆる階層から成るチームである。単に職業を通してではなく、社会運動を通じて社会と関わっている。サッカースタジアムで子供たちや若者、その親世代と共に過ごし、教室の補助を通して生徒たちと共にある。つまり、我々は彼らの抱える問題をマンツーマンで理解し、最良の方法で統合評議会に伝えることができるのだ。」

シャーヒン氏は、近頃極右政党が得票数を伸ばしていることに着目し、「極右政党の台頭を懸念しているが、恐れる必要はない。なぜなら、我々は解決策を探し、前に向かって進んでおり、最良の答えが選挙結果から得られると信じている。AfDのような政党が政権を取れば、とりわけ外国人や外国にルーツを持つ人々に制約がかけられる可能性があり、これに対する最良の答えも選挙結果から得られると確信している」と語った。

◾️選挙にはトルコ系候補者も出馬

16歳以上の有権者は、9月14日に市議会、区議会、自治体首長、区長を選出する。

ドイツ国民に加えEU市民も、地方選挙に投票することができる。

市長選挙の第一回投票で得票率が50%を超える候補者がいなければ、9月28日に第二回投票が行われる。トルコ系の有権者が多く住むケルン、ボン、デュースブルク、ゲルセンキルヘン、ゾーリンゲンといった都市で、トルコ系の市長候補者が出馬している。

地方選挙と同日に行われる統合評議会選挙では、国内に住むがドイツ国籍を持たない人々も投票することができる。

自治体ごとに権限の相違があるとはいえ、統合評議会は、自治体と移民コミュニティの橋渡し役を務めて、移民の教育・文化・平等性・差別との闘いといった現場の声を自治体議会に届け、解決策を探る手助けとなっている。


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翻訳者:関口ひなた
記事ID:60763