バイラムパシャ区長選挙、CHP候補当選も無効決定
2025年10月10日付 Cumhuriyet 紙
バイラムパシャ区長のハサン・ムトゥル氏が逮捕された後に行われた選挙は、裁判所の決定により無効となった。イスタンブル第8行政裁判所は、CHP(共和人民党)のイブラヒム・カフラマン氏が立候補者でありながら議長を務めたことが「中立の原則に背く」とした。AKP(公正発展党)の議員であるイブラヒム・アクン氏の異議申し立てを受けて差し止めの決定が下され、バイラムパシャにおいて再選挙の手続きが始まることになった。
CHPのバイラムパシャ区長ハサン・ムトゥル氏の逮捕後に行われた選挙で、投票によりCHPのイブラヒム・カフラマン氏が選ばれたことへのAKPからの異議申し立てを受け、行政裁判所により差し止めが決定された。
■バイラムパシャで選挙が無効
バイラムパシャ区長のハサン・ムトゥル氏が逮捕された後に行われた代理区長選挙が無効となった。
イスタンブル第8行政裁判所は、候補者の一人であるイブラヒム・カフラマン氏が議長を務めながら出馬していたことが「中立の原則に反する」として差し止めの決定を下した。
■裁判所から「中立性」の強調
AKP議員のイブラヒム・アクン氏は、選挙において中立の原則が侵害されたことを理由として提訴した。アクンは、それと同時に候補者である第一区長代理イブラヒム・カフラマン氏が議長を務め、非難の声にも耳を貸さなかったこと、そして一部の票が不当な形で無効になったことを明らかにした。
裁判所は、カフラマン氏が候補者の身でありながら議長を務めていたことが、「利益相反であり中立の原則に反する」と断言した。
この決定では、「候補者の一人が選挙会議を先導したことは、選挙期間中は中立を保つという原則に明らかに違反している」と述べられた。
■再選挙が行われる
裁判所は、このようにして行われた選挙が継続することで公務に「修復困難な損害」が生じる可能性があることに注意を引き、9月21日付の議会決定の実行を差し止めることを決めた。
この決定の後、バイラムパシャ区での代理区長再選挙が待たれている。
同じようなことは、1998年にもイスタンブル広域市議会で起こっていた。当時イスタンブル市長を務めていたレジェプ・タイイプ・エルドアン現大統領は、懲役刑を受けたあと行政裁判所の決定により職務を離れ、その後1998年11月12日にイスタンブル広域市議会で代理市長選挙が行われた。美徳党のアリ・ムフィト・ギュルトゥナ氏は、イスタンブル広域市議会の第一市長代理として進行した選挙において代理市長にも立候補し、111票を獲得してエルドアン氏の後任として当選した。ギュルトゥナ氏は、ある議員がこれに抗議したことに対し、立候補者でありながら議長を務めることに何ら問題はないとし、その件についてはその後法的な決定は下されなかった。
■オズギュル・チェリキ氏は感謝を述べ、AKPは異議申し立てを行った
(バイラムパシャ区での代理区長)選挙を終えて、CHPイスタンブル県支部のオズギュル・チェリキ支部長は「投票では、より以前に別の形式で押印された投票用紙が使用された。つまり、投票時にすでに投票先にしるしがつけられてある投票用紙が用いられた。これらは全て書記により、選挙を進行する議長を通して記録された。4回にわたる投票の結果、同率であったため、くじによって代理区長が選ばれた。CHPのイブラヒム・カフラマン氏が新たな代理区長に選出された。数週間、数日間に渡りあらゆる脅迫や恐喝、申し出があろうと引き下がることなく、バイラムパシャ区民の意思や票、名誉を守った18人の区議会議員に心から感謝する」と語った。
一方AKPのイスタンブル県支部は声明を出し、「バイラムパシャ区議会で行われた代理区長選挙において、区民が選んだ議員の意思を無視し、侵害する姿勢に対して法的措置を開始した。我々は、国民が託した意思を全く無視するこのプロセスを無効とするため、差し止めを求める訴訟を起こした」と述べられた。
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翻訳者:関口ひなた
記事ID:60970