シリア:イスラエル国防相がシリア政府との和平を否定

2025年11月28日付 al-Quds al-Arabi 紙

■カッツ氏はシリア政府との和平を否定、またシリアでフースィー派が活動していると主張

【占領下エルサレム:本紙】

イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、シリアとの「平和の方向」にはないとの認識を示し、その理由として、イエメンのフースィー派がシリアで活動しているとする主張と、ドゥルーズ問題を挙げた。

木曜日に伝えられたイスラエル公営放送の報道によれば、カッツ氏の発言は水曜日に行われたクネセト(国会)外交防衛委員会の非公開会合で示された。

同氏は、イスラエルがシリアとの平和に向かっていないと述べ、その根拠として、シリア領内にゴラン高原の町々への侵入を企図する勢力が存在すると主張した。イスラエルは1967年6月5日の戦争以来、シリアのゴラン高原を占領しており、2024年末のバッシャール・アサド政権の崩壊に乗じて占領範囲を拡大したとされる。

さらに同氏は、シリアで活動する部隊の中に、イスラエル北部への地上侵攻の脅威と見なされている勢力があり、その一つがフースィー派だと主張した。テルアビブが、フースィー派がシリア領からイスラエルに対して行動しようとしていると公に言及した前例はなく、シリアにおけるフースィー派の活動を裏づける情報は確認されていない。一方でフースィー派は、ガザに対するイスラエルの戦争への報復として、イエメンからイスラエルに向けてミサイルや無人機を繰り返し発射してきたとされる。

カッツ氏は、北部国境の防衛をめぐって、こうしたシナリオを織り込んでいると述べ、シリアのドゥルーズ問題にも再び言及した。シリアのドゥルーズ山で空爆が再発した場合には、国境閉鎖を含めて再度介入する用意があるとした。シリア当局は、国内のすべての宗派に平等な権利を保証していると強調しており、イスラエルがドゥルーズをシリア内政に干渉する口実として利用していると主張している。

ここ数か月には、イスラエルが2024年12月に占領したシリア側緩衝地帯からの撤収を担保する安全保障上の取り決めを模索するため、イスラエル・シリア間の協議が行われてきたとされる。

GMT8時30分時点で、シリア当局もフースィー派も、カッツ氏の発言に関してコメントを出していない。

過去二年間にわたり、イスラエルは複数の国に対して流血の戦争を仕掛け、中東地域を揺さぶってきた。2023年10月8日にはガザ地区でジェノサイドを開始し、その後レバノンとイランに対して二つの戦争を行い、隣国のシリアとレバノンに対しては空爆や地上侵入を重ね、イエメンに対しても空爆を行ってきたとされる。イスラエルは長年にわたり、パレスチナおよびシリアとレバノンの一部領域を占領し続け、1967年戦争以前の境界線に基づく東エルサレムを首都とする独立パレスチナ国家の樹立と、当該地域からの撤収を拒んできた。


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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:61219