シリア:14年ぶりに「地中海連合」へと復帰

2025年12月01日付 al-Quds al-Arabi 紙

■シリアが14年ぶりに「地中海連合」へ復帰

【ダマスカス:本紙】

シリアは、スペインのバルセロナで開催された第10回地域フォーラムに参加することで、14年間にわたる加盟資格の停止を経て「地中海連合」へ復帰した。

シリア外務省は日曜夜の声明で、同省のムハンマド・バッラー・シュクリー欧州局長を代表として、シリアが地中海連合第10回地域フォーラムの会合に参加したと発表した。

声明は、この参加について「14年間の加盟停止ののちに完全な加盟資格を回復してから、シリアが閣僚レベルで地中海連合の枠組みに初めて参加したもの」と説明した。

シリア外務省は、地中海連合が今回のシリア参加を正式に歓迎しつつ、これが「地域対話におけるシリアの役割の回復であり、地域における包括的協力を強化する機会となる」と評価したと述べた。

シリアの放逐された前政権は2011年末、当時欧州から課された制裁に対抗するかたちで、地中海連合(EU)の加盟資格を自ら停止していた。

声明によれば、フォーラムの活動では、シリア代表団は「新地中海憲章」の立ち上げに参加した。この憲章は、地中海連合と地中海南岸諸国との協力のための戦略的枠組みを成すものである。

この憲章は、開発、エネルギー、気候、移民、経済連携といった分野で「均衡のとれたパートナーシップと共通の責任」を基盤に、関係を再構築するものと説明された。

シリア側は同憲章に関して、「新憲章と新たなビジョンを南部諸国のニーズに応える実効的なものにすること」に焦点を当てた。

さらに声明は、「この復帰を教育、経済、エネルギー、交通などの分野で具体的な協力ルートを開くことに生かし、復興と再建の取り組みを支え、地中海地域の安定を強化すること」の重要性を強調した。

2024年12月8日、シリア反体制勢力は首都ダマスカスに進入し、バッシャール・アサド政権(2000〜2024年)を打倒したと発表した。バッシャールは1970〜2000年にシリアを統治した父ハーフィズから政権を引き継いでいた。


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翻訳者:齋藤茉音
記事ID:61225