シリア:アサド政権崩壊から1年 シャルア大統領が「歴史的機会」を強調
2025年12月07日付 al-Mudun 紙
■シャルア氏:シリアは活かすべき歴史的な機会を迎えている
【本紙】
シリアのアフマド・シャルア大統領は、失脚したバッシャール・アサド政権の崩壊記念日にあわせて首都ダマスカスで行われた市民イベントに参加し、現在シリアが迎えている段階は歴史的であり、活かすべきだと確認した。
〈シリアの孤立は従来からのもの〉
シャルア大統領は、ダマスカス県の名士や有力者が出席した会合で、任務はダマスカスの解放で終わったわけではなく、今後の再建と復興には全員に共通の責任があると確認した。また、解放後にダマスカスが獲得した高い地位と戦略的重要性、さらに均衡の回復や地域・国際関係の強化についても強調した。
「シリア大統領府」が公表した内容によれば、シャルア大統領は「現在の段階は、安定・発展・繁栄を基盤とする国家的遺産を次の世代に確実に引き継ぐために活かすべき歴史的な機会を示している」と述べた。
同氏はさらに、過去数年間は失脚した政権の政策によってシリアが世界から孤立していたと述べ、シリア革命の成果を手放すことは、この14年間に国が支払ってきた代償をはるかに上回る犠牲を強いられる可能性があると警告した。
また、代償が重かったのは、シリア国民が化学兵器で攻撃され、逮捕され、拘束施設で拷問に耐えてきたためだと指摘し、シリアと首都ダマスカスは、繁栄する経済モデルになり得る歴史的な機会を有していると強調した。
〈式典〉
シリア各地の都市や県では、アサド政権崩壊1周年を記念する祝賀行事が続いている。政権崩壊は、反体制派諸派の連合が、当時アブー・ムハンマド・ジャウラーニー(アフマド・シャルア大統領)が率いていたシャーム解放機構の主導で行った戦闘の結果としてもたらされた。
1年前のこの時期、反体制派諸派の部隊はシリア中部のホムス市を掌握し、首都ダマスカスに向けて進軍していた。これは、政府軍が崩壊して兵舎や拠点を放棄し、兵士たちが軍服を脱いで各地に逃亡した後、ダマスカス郊外県、ダルアー県、スワイダー県から同様の部隊が進軍していたのと同時進行だった。
そして反体制派の縦隊が到着する数時間前、失脚したバッシャール・アサドは数名の主要将校らとともに民間機でロシア軍のフメイミム空軍基地へ逃れ、その後ロシアへ移送された。アサドとその家族には人道的亡命が与えられ、一方で政権の幹部の一部は様々な経路で各地へ逃亡した。
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翻訳者:鈴木美織
記事ID:61253