シリア:最高ファトワ―評議会が新通貨の発行に関して見解を発表

2025年12月29日付 al-Watan 紙

■最高ファトワー評議会は人々に対する搾取や課外を停止するよう勧告

【ダマスカス:本紙】

最高ファトワー評議会が「人々に対する搾取と加害」を戒めるなか、経済学者のアンマール・ナースィル・アーガー氏は『ワタン』に対し、旧シリア・ポンドを新通貨に切り替える決定について、「妥当で不可欠であり、多くの利点を伴う」との見方を示した。アーガー氏はまた、ゼロの削除は行政上・技術上の措置にすぎず、通貨の実質的な価値を変えるものではないと述べた。

アーガー氏は『ワタン』への発言として、「旧通貨と新通貨が市場で併用される期間においては、一部の者が悪用を行う可能性がある」と指摘した。またその悪用の事例として、旧通貨で米ドルを購入しようとする人に対し、両替商や両替会社が、旧通貨から新通貨への交換期限が限られていることを口実に、新通貨で購入する人よりも低い額で支払うことなどが起こり得ると述べた。

さらに同氏は、通貨切り替えの重要な利点として、買い物の際などに市民が携帯する現金量が減ること、旧通貨に残っていた旧体制の象徴を取り除けることを挙げた。

また長期的にはインフレ抑制という点でより大きな効果が見込めるとし、旧通貨の通貨量は新しい通貨量に置き換えられるだけで、交換に伴う上積みが生じないためだと説明した。そのうえで、市場で旧通貨が流通する期限が終わる時点、すなわち3か月後にインフレの低下が起こり得るとの見通しを示しつつ、国外から旧通貨が流入しないことが条件になると述べた。

同氏は、旧通貨と新通貨が併用される局面で、市民が一部商人による恐喝や搾取の被害者になり得るとして、メディアが啓発の役割を果たす必要があるとも強調した。

最高ファトワー評議会が通貨交換に関して出した声明について、アーガー氏は、旧通貨と新通貨の併用時に人々を悪用したり害したりしないよう促す、重要で説明的な声明だとの見方を示した。そのうえで、今後の期間は旧通貨と新通貨の両方で価格表示を行うことを求め、価格表示に関する物価監視を強化し、値上げや通貨併用を利用した不当な私的利益の獲得に及んだ商人は、最も厳しい処罰をもって責任を問うべきだと述べた。

最高ファトワー評議会は、新しい国民通貨(新シリア・ポンド)への切り替えをめぐり、シャリーア上の見地から声明を出し、次の点を確認した。

1.国民通貨からゼロを2つ削除する措置は、純然たる行政的・組織的な措置であり、債務などの拘束力の価値を変えず、既存の金銭的権利を損なわない。

2.債務、契約、婚資(マフル)その他一切の金銭的義務は、シャリーア上、保全され有効であり、増減なく同等価値の新通貨へ算術的に換算される。たとえば、10万ポンドの義務は価値が同じ1,000ポンドとなり、他の取引でも同様に扱われる。

3.現金の通貨交換は、旧通貨を引き渡し、同等価値の新通貨を受け取ることによって行われ、増減は認められず、その場で手渡しによって遅滞なく行われる。銀行口座については、当事者間で新通貨の同等価値として残高が表示されれば足りる。

4.この措置を悪用して人々に害を与える行為は、値上げや権利の切り下げと不当な財産取得を伴うため、シャリーア上禁じられる。

評議会は結びとして、金融取引の安定はシャリーア上の重視される目的であり、そのために協力することはシャリーア上の義務になると述べ、それが信頼の強化、権利の保全、公益の実現につながるとした。


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翻訳者:国際メディア情報センター
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