ハメネイ殺害、町には喜ぶ人、反発する人

2026年03月01日付 Hurriyet 紙

アリ・ハメネイ… 宗教家の息子として始まった彼の人生の旅路は、彼がイランの最高権力者となるまでの40年の物語だ。革命、亡命、台頭、そして絶対的な権力…。彼は、中東地域のバランスに影響を与える決定の背後にいた最重要人物の一人だった。そして、ある者にとっては抵抗の象徴であり、別の者にとっては抑圧の象徴だった。ハメネイ師はいかなる指導者で、いかにしてイランと中東を形作ったのか?そして、これから先どうなるのか。イランの人々は彼の死をどのように受け止めているのだろう?この記事では、それらの疑問を、歴史背景、政治遺産、街角の反応とともに幅広い視点から考察する。

中東の緊張状態が再び危機的レベルにまで高まる中、世界のバランスを揺るがしかねない新たな軍事プロセスへの扉が開かれた。米トランプ大統領が、SNSメディア「トゥルース・ソーシャル」の個人アカウントで、生死について意見が分かれているイランの最高指導者ハメネイ師について、「史上最悪の人物の一人であるハメネイは死んだ」と投稿したのだ。

トランプ大統領は、ハメネイ師が「米国の諜報機関」と「高度追跡システム」からは逃げおおせなかったとして、「米国はイスラエルとの緊密な連携のうえで動いた。ハネメイも彼と一緒に殺された他の幹部らにも、できることはなかった」と評した。

トランプ大統領は、さらにイラン国民に向けて、「これはイラン国民が母国を奪還するための千載一遇かつ最大のチャンス」だと呼びかけた。トランプ大統領は、イラン革命防衛隊や他の治安部隊の多くが、「もう戦いたくない」と感じているのだと主張し、「今なら同情酌量を得られるかもしれないが、(この機を逃せば)死が待つのみ」とのメッセージを発信した。あわせて、米国とイスラエルの攻撃は継続する可能性があり、攻撃は「必要なだけ」続くと述べた。

■イラン国営テレビ:「イラン・イスラム革命の指導者が殉死」

アリ・ハメネイ師の死についてイラン国営テレビは、「イラン・イスラム革命の指導者が殉教した」と報じた。イラン政府も、ハメネイ師の死を受けて40日間の全国的な服喪と7日間公的休日を発表した。

■「ハメネイ殺しは罰せられる」

ハメネイ師の死が報じられた後、イラン政府は声明を発表した。この声明にも、ハメネイ師を殺害した攻撃はなんらかの罰を受ける、攻撃の実行者および命令者は「後悔する」と記された。イラン大統領府も、ハメネイ師への攻撃は「罰を受けることになる」と表明した。政府は40日間の服喪を宣言し、政府機関の7日間の閉鎖も発表された。

米イスラエル共同攻撃でイランの宗教的指導者ハメネイ師が殺害されたとの報道が流れると、首都テヘランをはじめとするイラン各都市では夜にも関わらず多くの人々が街頭に出た。

約40年にわたりイランを統治してきたハメネイ師の死というニュースは、イラン政権にとって歴史的転換点だと評価できる。米イスラエル軍が更なる攻撃を行うのではないかという脅威が一部で不安を引き起こしているとはいえ、国内外の多数のイラン国民はこの動きを歓迎している。

首都テヘランでは各地で夜通しの祝賀騒ぎがみられた。ニューヨーク・タイムズ紙の取材に応じたテヘラン在住の3人(安全上の理由から匿名希望)は、大勢のグループが踊り、スローガンを叫び、運転手はクラクションを鳴らし、花火が打ち上げられたと伝えた。また、一部の市民が自宅バルコニーから「自由」のスローガンを叫んでいたのを目撃した人がいるとも語られた。

テヘラン在住のサラ(53歳・報復を恐れて姓の公表は拒否)は、ハメネイ師が殺害されたと聞いたとき、大きな喜びを感じたと語り、最近、反政府抗議活動に参加して治安部隊の介入を受けたばかりだとも語った。

■ハメネイ支持者は祝賀に反発

一方、ハメネイ師を尊敬すべき宗教指導者だと信じている支持者らはSNSの祝賀投稿への不快感をあらわにしているとのワシントン・ポスト報道もある。ハメネイ師の死が報じられると、イラン各地で彼らの抗議活動が始まった。首都テヘランの革命広場には大勢の人が集まり、イラン国旗やハメネイ師のポスターを手に米国やイスラエルへのスローガンを叫んだ。式典では悲しみに暮れるイラン人もいた。

BBCペルシャ語が投稿した動画では、ある人物が屋上から「ハメネイは地獄へ落ちろ」と叫んでいる。アブダナンでも若者が街に出て勝利のサインを掲げ、スローガンを叫ぶ姿がみられた。

タイムズ紙が配信した動画には、ファールス州ガレ・ダル市にあるハメネイ師らしき人物を刻んだ記念碑が放火され、破壊される瞬間が収められている。別の動画でも、ある人物が「夢を見ているのか?新世界へようこそ」と叫ぶ声が聞こえる。

似たような動画はシーラーズとイスファハンでも撮影されている。シーラーズでは市民らが車を停めて踊ったり、イスファハンでも100人以上がなんらかの祝賀を行ったと報じられた。

■新たな指導者の任務は?

ハメネイ師の顧問ムハンマド・モフベル氏は、ハメネイ師の死で空席となった指導者職の代表権に関する手続きについて解説した。イラン国営テレビでのモフベル氏発言によれば、今回のケースにはイラン憲法第111条が適用される。

モフベル氏は、「憲法第111条では、指導者の死亡、辞任または解任においては、専門家会議が可及的速やかに新たな指導者を決定し、発表せねばならない。新指導者が決定するまでは、大統領、司法権の長、および公益監査評議会が選出する憲法遵守評議会の法学者1名からなる三人評議会が暫定的に指導者の職務を担当する」と述べた。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:原田星来
記事ID:61763