AIで、博士や准教授、量産?

2026年04月26日付 Hurriyet 紙

近年、ChatGPTやGeminiといったAI言語モデルは、学生の課題や、学業の後半の論文執筆にも頻繁に利用されている。ハジェテペ大学コンピュータ情報科学部の学部長であるメフメト・オンデル・エフェ教授は、AIの助けを借りて論文を執筆すれば、学術的な称号を手にすることは今やはるかに容易になったと指摘し、このような方法で博士号や准教授職位を手に入れる人の数も急速に増加するだろうと述べた。

近年、AI言語モデルはもっとも多く使用されるデジタルツールのひとつとなっている。ChatGPTやGeminiといったツールは膨大な質問にも瞬時に回答し、会話相手になり、ビジネスだろうと学術的作業だろうと数秒で完了させられるため、学生、研究者、ビジネスパーソンなど、社会のあらゆる層が大きな関心を寄せている。当然、こうした状況は複数の議論をもたらす。学生の課題、プロジェクト、プレゼンテーション、あるいは試験にこのようなツールを利用することの適切性には、教育界では依然大きな疑問符がついている。そんな中、博士号取得のための論文や准教授職位に必要な学術出版物においても、同様のツールの積極的に利用(の可否)が議論されるようになっている。

ハジェテペ大学コンピュータ情報科学部の学部長であるメフメト・オンデル・エフェ教授は、AIの名の下に「科学的」コンテンツを生成するソフトウェアが急速に普及することは予測された結果だとし、この状況は学術界に悪影響を与えかねないと警告した。エフェ教授は、技術発展に伴って学術制度に新たな規制が求められていると述べ、次のように語った。

■新たな試験や学位審査の方法が必要

「一般的な6ページの学会論文や、8~10ページの学術論文、さらに数十ページに及ぶ学位論文も、今やAIが即座に生成できる成果物となった。学術制度自体が自らの評価基準を再定義し、新たな試験や学位審査の方法を開発する必要がある。対応が遅れれば、優れたAIモデルが生成した成果物によってあっさり学位を取得する者の数が増える。この問題は、各大学の評議会や高等教育評議会(YÖK)でも議論されるべきだ。我々は既に出遅れている。AIを用いた学位論文や出版物の数は際立ったスピードで増加している。この現象は学生を含めた学術界のあらゆる層で見られる。

■知能を鍛えるには新たなアプローチが不可欠

知能を鍛えるための新たなアプローチが不可欠だ。AI、すなわち大規模言語モデルがいろいろな場面で作業を加速させることは明らかだ。たとえばAIは、文献レビューを行う研究者が関連文献にアクセスしたり、特定の基準に基づいてデータを分類することを容易にする。

さらにこうしたモデルは、コードを追加すれば設計・開発プロセスを加速させることもできる。私は個人的にはAI利用に制限を設けることには反対だ。印刷機の利用を禁じるようなものだからだ。とはいえ利用方法に何らかのルールを設ける必要はある。この点に関し、トルコ科学技術研究会議(TÜBİTAK)は、プロジェクトを評価する側が研究プロセス開始時に確認すべき声明をいくつも発出している。私は、論文においても同様の声明を求めるべきだと考えている。従来のシステムでは人間の教育という点で困難さがあったが、AIはその困難の一部を解消した。今、再び人間の教育を目標とするならば、知能を鍛える新たなアプローチの定義は当然、避けられない。

■パソコン使用せずにプレゼン

たとえば、博士論文の口頭諮問の場で、どの程度の資料がAIサポートによって生成されかを確認し、候補者自身の独創的な貢献をアピールし、研究の習熟度を評価するために、これまでより長時間、パソコンなしでプレゼンすることが求められるということもありえる。これが新時代のやり方になるかもしれない。

旧来の手法がその役割を失い、新たな手法がまだ確立されていないのは事実だ。この問題はあらゆる分野で迅速に取り組むまれなければならず、さらに取り組みは高等教育評議会(YÖK)とも連携した形でなされるべきだ。AIに生成されたテキスト、コード、図、数式を用いて業績を得ることが可能なのは間違いなく、まさに今日、それが行われている。

世界中がAIのもたらす利便性を最大限に活用している中で、トルコが研究者に制限を課すということは考えられない。むしろ適切な使用法を教育し、誤用を防ぐためのツールを提供するような制度を構築すべきだ。

学位取得に直結する研究でAIが不適切も利用されると、質の低い人材が増える。長期的にみれば、その悪影響はビジネスにも人々の生活にも及び、知的キャパシティに限界がある人材を出現させかねない。」


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翻訳者:原田星来
記事ID:62016