シリア:ドゥルーズ派の村でイスラエル軍少将が昼食会に出席

2026年05月10日付 al-Mudun 紙

■ダマスカス郊外県で、イスラエル軍のガッサン・アリアン少将が昼食会に出席

【本紙】

シリアとレバノンのドゥルーズ派問題調整官に就任して以来、三度目となる今回の訪問で、イスラエル軍少将ガッサン・アリアン氏は一昨日の木曜日、ダマスカス郊外県西部にあるドゥルーズ派の村の一つ、リマ村を訪れ、村の有力者や住人数人と面会した。

〈保護の約束の更新〉

アリアン氏は、イスラエル軍における最も著名なドゥルーズ派将校の一人とされる。地域筋が『ムドゥン』に語ったところによると、同氏は軍を率いて村に到着し、村の有力者らは村の中央にある集会所で昼食会を開いて彼を歓迎した。

村の人々は、この訪問について事前に知らされていた。これは、アリアン氏が昨年2月以降、シリア領内でのドゥルーズ派の村々との連絡や関係構築の拡大に向けて進めている活動の一環である。特にその対象となっているのは、アサド政権崩壊後、イスラエルが直接的な影響力を及ぼし、従来とは異なる状況を作り出してきたシャイフ山地域だ。会合に出席した住民の一人は、『ムドゥン』に対し、会談は約1時間続き、社交的かつ親睦を深める性格のものだったと語った。その一方で、アリアン氏は、村の住人が示した現状への懸念や質問の一部にも答えたという。同氏は、イスラエル軍はシリア南部のドゥルーズ派を保護するとの約束を守る姿勢を示したほか、イスラエル当局が、地域住民の経済状況を活性化させるため、同地域の労働者にイスラエルでの労働を認める問題について引き続き検討していると述べた。

〈緩衝地帯の外にあるリマ村〉

リマ村は、シリア・レバノン国境に位置するシャイフ山の東麓にあり、レバノン側のラシャイヤ県に面している。首都ダマスカスからは約55km離れており、行政上はダマスカス郊外県カタナ地区に属する。人口は約2500人とされる。注目されるのは、この村が1974年協定による緩衝地帯の外側に位置している点である。この緩衝地帯のシリア側部分は、2024年のアサド政権崩壊から数日後にイスラエルが占領した。これは、イスラエル軍によるシリア領ゴラン高原での拡張政策が続いていることを示している。
地域の『ムドゥン』筋は、アリアン少将がここ数週間の間に、リマ村に隣接するアルナ村を2度訪問し、それ以前にはクネイトラ郊外のハダル村も訪問していたことを確認した。同氏は両ドゥルーズ派の村で、有力者や住民とも面会したという。これに先立ち、イスラエル軍報道官のアヴィハイ・アドライー氏も昨年7月にアルナ村を訪れ、住民らと面会したという。この地域では、軍事拠点や監視塔の建設、パトロールの実施、臨時検問所の設置、さらには住民への食糧支援の配布に至るまで、イスラエル側の動きがこの1年半にわたり続いている。

〈ドゥルーズ派との関係管理〉

しかし、最近のアリアン氏の動きは、特に7月の流血事件やシリア政府との政治的行き詰まりを受け、シリア南部のドゥルーズ派社会に対して、より明確で大きな影響力を持つものとなっているようにみえる。

ガッサン・アリアン少将は、イスラエル軍における著名なドゥルーズ派将校の一人であり、軍内で数々の重要ポストを歴任してきた。中でも特に知られているのが、「ゴラニ旅団」司令官の職である。

今年2月、イスラエルはガッサン・アリアン氏のために「中東ドゥルーズ派問題調整官」という新たな役職を設けた。アリアン氏の最近の動きからは、その任務がシリアのドゥルーズ派との関係を公式に管理することにあるのが明らかになっている。同氏は3か月足らずの間に、シャイフ山からスワイダーに至るまで、ドゥルーズ派勢力との強固な関係網を築き上げた。また、同氏の活動に詳しいドゥルーズ派筋によると、シリアのドゥルーズ派とイスラエルの公式な連絡ルートは、アリアン氏を通じたものに一本化されたという。

また消息筋は、アリアン氏のドゥルーズ派としての出自とイスラエル軍における公式な地位が、シリア南部のドゥルーズ派社会における彼への信頼を強める一因になったと述べた。ヒクマト・ヒジュリー師の支持者らが掲げたことで、現在ではアリアン氏の写真がスワイダー市中心部の主要広場に掛けられているという。さらに同筋は、イスラエルはアリアン氏をこの役職に任命することで、イスラエルとシリアのドゥルーズ派勢力との間に存在していた非公式な連絡ルートの影響力を抑え、この問題をより明確な形で管理するようになったと説明した。

〈シリア政府からコメントなし〉

シリア当局は、ダマスカス郊外県のリマ村へのアリアン氏の訪問についてコメントしていない。これは、先月アフマド・シャルア大統領がアナドル通信に対して述べたように、イスラエルとの関係において外交的アプローチを維持しているためとみられる。シリア政府は、公式声明によると、直接または間接的な交渉を通じて、安全保障面での合意に到達し、国境情勢を1974年の兵力引き離し協定の状態へ戻すことを目指している。しかし報道によれば、イスラエル側は新たなシリア政府との合意締結を急いでいないようだ。


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:鈴木美織
記事ID:62081