高等教育改革へ新提言―大学3年制自由化へ

2026年06月20日付 Hurriyet 紙
社会科学研究所による高等教育制度を徹底的に検証した包括的な報告書は、 長年、裏側で語られてきた批判を、明確で大胆な構造改革の呼びかけへと変えた。
4年制の学士課程という枠組みは柔軟にされるべきで、 学長職は研究者の独占から解放されるべきで、学術的昇進は「年功序列」ではなく「学術的貢献」により与えられるべきで、 大学は「論文数を数える」のではなく「社会的影響を生み出す」機関へと変わるべきである。 YÖK(高等教育機構)は組織として新しい構造に再編されるべきである。


トルコの高等教育制度は、直近20年において、共和国史上最も重要な成長と拡大の時期の一つを過ごした。大学、学生、研究者数が大きく増加したことで、高等教育は国の人的資本を育成する戦略的な分野に変化した。
しかし、この量的拡大を持続可能な学術的、社会的、経済的付加価値に転換するためには、 現在の高等教育制度を質、効率、国際競争力の観点から改めて評価し直す必要がある。さらに、デジタル化、人工知能、人口動態の変化、そして知識型経済の急速に変化するニーズも、高等教育において新たな改革の検討を不可避なものにしている。

こうした状況を踏まえ、社会科学研究所が作成した「トルコの高等教育制度の現状、構造的問題、そして政策提案」という題の報告書は、高等教育制度の基本的、構造的問題を分析し、高等教育の未来に向け戦略的に転換するべき領域を示している。報告書の調査結果は、トルコの高等教育が、質、研究能力、ガバナンスの効率性、そして国際化の面で、包括的な改革プロセスを必要としていることを示している。
調査結果は、同時に、国が新たなクオリティ・エコシステムを構築し、 国際的な競争力を高めるために優先すべき政策領域を指し示している。

■これが報告書の最も重要で注目すべき提言

社会科学研究所が作成した包括的な報告書は、トルコの高等教育制度の全てを精査し、高等教育の裏側で語られ、大きな声で言うことは憚られる実態を白日の下にさらした。「トルコの高等教育制度の現状、構造的問題、そして政策提案」という題のレポートで、「量的拡大」の時期は完了したこと;大学と学生数ではなく、質、研究能力、国際競争力で評価されることが強調されている。

■4年制学士課程は柔軟に、卒業証書ではなく習熟度で評価されるべき


社会科学研究所の報告書で最も注目すべき項目は、10年もの間、学士課程についてなにも変更されていないことについてである。「現時点での在籍期間と卒業証書中心」の構造が教育の真の目的に影を落としているとし、学習の結果と習熟度に基づくモデルに移行することが提言されている。報告書はこの点において、大胆な一歩を踏み出している:大学の自治に理解を示しつつ、教育と実践を融合できる学部において、学士課程の期間を180AKTS(欧州単位互換制度、ECTS)、つまり2+1年(6期)の制度を適用するための契機をつくるよう求めている。トルコにおける標準は240AKTSと4年であることを考えると、学士課程に関して長年封じられてきた議論が再燃することになる。また報告書では、卒業証書を得るプログラムと並行して、細かく習熟度を測ることやモジュール制の学習モデルも全国的に取り入れるよう提言している。

■学長職は「研究者による独占」から解放されるべき、YÖKは再編すべき

報告書のガバナンスに関する部分は、高等教育制度の核心に触れている。1981年から現在まで施行されている第2547高等教育法が簡素化され、アップデートされることが求められる一方、最も注目を集めた提言は、学長の職位に関してであった:大学のガバナンスと学長の職位において、客観的な指標に基づき、異なる様々な分野の専門家も就任できるよう機会をつくるべきであるとした。社会科学研究所のこの提言は、学長職が伝統的な研究者による独占から解放されることを意味している。

報告書は、上部組織であるYÖK(高等教育機構)にも構造改革の処方箋を出している:機構が、大学に対する中央集権的な監査機関から、組織の代表性を高め、規制と調整を中心とする構造に転換すること;これには大学により多くの自治を認めつつ、それを説明責任によってバランスをとることを提言している。

■すべての大学が同じではない:役割で差別化をはかる提言

報告書は、トルコでは大学を単一モデルにはめていることも基礎的な問題の一つであると指摘している。これによると、各大学の役割の区別化を図り、多様なものにすべきである;研究、教育、地域振興、起業といった中心的な目的が異なる大学モデルを作成するべきである。社会科学研究所は、これを書類上に留まらせないために定員や職員、財務政策も、それぞれの大学の役割に応じて形作る必要があると強調している。

■年功序列により教授になるべきではない

学術界の人事に関する見解も他の提言と同様に重要である。報告書は、教授職と准教授職の過程について、年月の長さではなく、学術的貢献に基づく必要があるとしている。画一的な学術キャリアの代わりに、教育、研究、実践に特化した多様なキャリアパスを開くこと、博士課程が学術的な質の「フィルター」として再び設置されること、博士課程の先の研究職ポジションが増やされることを求めている。

■「論文数の多寡ではなく、影響を生み出す大学へ」

報告書の研究に関する展望では、トルコ学術界の慣習に対して型破りなメッセージを発している。長年、学術成果の基準となっていた論文数の多寡によるモデルは廃止すること;代わりに、特許やプロトタイプ、起業、社会的な影響を中心とした成果を基準とすることを提言している。研究大学では授業の負荷を減らし、研究者たちに研究に集中する時間をもたらすこと、国際的な出版、プロジェクト、起業能力を大学が強化する必要があることが述べられている。

■資金投入は「学生の頭数」ではなく、質による

財務モデルに対する見解は、既存のシステムの母体が脆弱であると指摘している:大学への資金は、学生数のみではなく、研究、社会的な影響、質などの指数によって投入されるべきである。加えて、報告書では大学が補完的に収入を生み出す能力を強化することと、研究者たちの給与とともに報奨金が、勤務地の経済状況に応じて改善されることを提言している。

■人工知能の時代に準備不足な制度

社会科学研究所の報告書の最もタイムリーな警告は、人工知能の章で行われているかもしれない。既存の学術的公正性と評価システムを人工知能に対応して再構築する必要性が述べられている;准教授職と昇進する過程で、言葉による評価や研究ポートフォリオの適用が拡大していくこと、国内の研究データと人工知能のインフラを設置することが求められている。

■留学生は「コスト」ではない、経済的に価値がある

報告書は、国際化を新たな枠組みに据えている:留学生、研究者、出版される論文数の目標値が再規定されること;研究者の雇用において国際的な活動が奨励されること;大学院生のレベルにおける留学生の割合を増加させる必要があることが強調されている。国際的な教育については産業的かつ経済的な付加価値の論理で運営されること、学生の出身国の多様性を高めることも提言に含まれている。

■すべてが評価対象:タイムリーで正確なデータシステム

報告書は最後に、これらの再編はデータに基づき実施されることを求めている。定員は卒業生の雇用数や各分野の需要に関連付けられること、学長の業績や大学の質は、規則に則っとり評価されること、またすべての制度のためにタイムリーで正確なデータを参照し、決定を支援するメカニズムを構築することを提言している。

社会科学研究所の報告書は、すべての見解を一つの主張にまとめている:トルコの高等教育における拡大の時期は完了した;次の課題は、この規模を学術的、社会的、経済的付加価値に転換するクオリティ・エコシステムを構築するかしないか、である。


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翻訳者:丸山 礼
記事ID:62312