NATOアンカラ総会を前に、ギリシャとイスラエル「トルコの心配」
2026年07月02日付 Milliyet 紙

32の加盟国が参加するトルコでのNATO首脳会議が目前に迫る中、イスラエルからは「注視」、ギリシャからは「懸念」との見解が相次いで発表された。詳細は次の通りだ。
トルコが開催国となり、7月7日から8日にかけて首都アンカラで開催されるNATO首脳会議まで残り数日となった。32の加盟国が参加するNATO首脳会議では、トルコが同盟に与えてきた重要性と貢献に加え、安全保障を生み出す軍事力および外交力を用いた、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の効果的な首脳外交が注目を浴びることになるとみられている。
「極めて重要な貢献」
さらに政府は、NATOの戦略的思考力と作戦遂行能力に対し、極めて重要な貢献を続けている。NATOで二番目に大きな軍を保持するトルコは、NATO内部の地政学的位置、軍事能力、地域的影響力、防衛産業分野の能力、効果的な外交、指導力、さらに、作戦や任務への貢献により注目を集めている。
「超大国の比類なき地位」
NATO内部で高まっているトルコの影響力や、特にこの重要な首脳会談がアンカラで開催されることに対し、すでにイスラエルとギリシャから警戒の声が上がっている。
テル・アビブのマアリヴ紙に掲載されたイスラエル人アナリスト、ヨッシ・シェイン氏の記事では、「中東の戦争の影でトルコは力を増しており、湾岸諸国が米国との関係を見直す中、アンカラ政府は超大国として有する比類ない立場を活かしている」と述べられている。
「我々は現実から目を背けられない」
NATO首脳会議に注目した記事では、「数日後にはトランプ大統領も含む32のNATO加盟国をトルコは迎える。この首脳会議からアンカラ政府に無条件の支持が示されることは明らかであり、テル・アビブにとって難しい地域大国となる現実から我々は目を背けることはできない。
「注意深く見守ることになる」
イスラエルは、ガザで続けているジェノサイド攻撃のため、国際社会で孤立していると指摘するシェイン氏は、「この状況は、我々をアンカラに対して弱い立場に追い込み、深刻な脅威となっている。首脳会議の一瞬一瞬を注意深く見守っていこう」と述べた。
「ギリシャは懸念」
一方、ギリシャメディアのSL Pressは、「NATO首脳会議でギリシャが最も懸念していることは何か?」と題して、注目すべき分析記事を掲載した。タルカス・アレクサンドロス氏によるこの記事では、「ギリシャ政府はアンカラへ赴くにあたり、防衛計画の枠組みにおいてNATOが同盟内部でトルコにより重要な役割を与えることになるかどうかを懸念している。エーゲ海および東地中海で高まるトルコの影響力に対し、ミツォタキス首相が同盟内部におけるギリシャ政府のレッドラインをどこまで主張できるかが注目される。」と述べられている。
「要衝」
また、「同盟の重要な加盟国としてトルコは、ヨーロッパと中東の要衝に位置しており、NATOで二番目に大きな軍を有する」と評した。
「トルコは重要な目標を達成することになる」
同記事は、トルコがヨーロッパにとって「信頼できる港」であると指摘し、「ヨーロッパの指導者の誰も、トルコとの関係悪化を望んでいない。特に、防衛産業において世界有数となったトルコは、この首脳会議を通じて重要な目標を達成するとみられている」と述べている。
トルコのNATO加盟
トルコは、1952年にNATOに加盟し、現在約3000人の人員に加え、様々な兵器、車両、プラットフォームを提供することで貢献している。
1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争では、国連の要請に応じて1950年7月25日に派兵を決定したトルコは、米国の次いで朝鮮半島に地上部隊を派遣することを表明した最初の国となった。
トルコは、正式加盟以来、NATOへの貢献を拡大しながら継続してきた。
NATOで二番目に大きな軍を保持するトルコは、NATOの任務とミッション(アフガニスタン、コソヴォ、ボスニアヘルツェゴビナ、リビア、イラク)に貢献する一方、他の加盟国とは異なり、対テロ戦争や中東の不安定な状況のため、冷戦期はの軍事能力を維持、増強してきた。
トルコは現在も継続中であるコソヴォ軍(KFOR)、海上警備作戦、エーゲ海における不法移民対策活動、常設海軍部隊、NATO即応部隊、NATO即応性イニシアティブ、NATO保証措置、NATOによるアフリカ連合支援活動、そしてNATO統合防空・ミサイル防衛システムに対し、約3,000人の人員と各種兵器、車両、プラットフォームを提供して支援している。
NATOに単に加盟するだけではなく、安全保障を生み出し、危機を管理し、解決策をつくりだす戦略的アクターとしての特性を備えるトルコは、単なるNATOの南翼を支える「前線国家」ではなく。ヨーロッパ大陸全体で安全保障を提供できる中心的な同盟国として存在感を示している。
翻訳者:佐田優美香
記事ID:62389