シリア:「対話と安定」を優先するシリアの近隣外交

2026年07月27日付 al-Watan 紙

■シャルア大統領、レバノン・イラク・イスラエルとの関係で軍事衝突回避と国家機関の役割強化を訴える

【ダマスカス:本紙】

アフマド・シャルア大統領が衛星テレビ局「ジャズィーラ」とのインタビューで示した発言は、近隣諸国との均衡ある関係を構築し、新たな軍事衝突への関与を避けることで、地域の安定を優先しようとするシリアの姿勢を示している。こうした方向性は、レバノン、イラク、イスラエルをめぐる発言にも表れており、安全は武力だけで実現されるものではなく、政治的合意と国家機関の役割強化を通じて達成されるという認識が繰り返し示された。

シャルア大統領は改めて、レバノン問題について、同国の諸問題を管理し、自らが負った義務を履行できる主体としてレバノン国家を支援することに重点を置いた。

同大統領は、「シリア国家は、レバノン国家が自ら引き受けた義務を履行できるよう支援しようとしている」と述べた。さらにシリア政府は「レバノン国家が行政・執行機関の能力を高め、レバノン全体を包括する文書であるターイフ合意を履行できるよう支援している」と語った。

その一方で、「我々はレバノンに軍事介入する意図はない」と述べ、軍事的に介入する考えを否定した。

シリア政府の情勢を追う複数のメディア筋は、こうしたシャルア大統領の発言について、レバノンとの関係を、国家間協力を基礎として構築しようとする姿勢を示すものだとみている。

また、危機への対応は治安面だけに限定できないとの認識も示されている。シャルア大統領は、「レバノン危機への対応は治安上のアプローチだけでは不十分であり、さまざまな側面に対応する包括的な解決が必要だ」と述べた。

ヒズブッラーについての発言も、過去数年間の経験を評価する文脈でなされた。シャルア大統領は、同組織が「旧体制によるシリア国民への戦争に加わり、数百万人のシリア人を故郷から追われる原因となった」と述べた。これは、国家の枠外で活動する武装勢力の役割に対するシリア政府の見方を示すものとされる。

一方、イラクとの関係についての発言は、緊張激化を避けつつ、安全保障面での調整と国境防衛を重視する異なる姿勢を示した。

シャルア大統領は、「イラク共和国との関係は継続的に改善している」と述べるとともに、シリアは「イラクとの国境で武装勢力による潜在的な脅威に対処するための措置を講じている」と説明した。

また、安全保障問題への対応は、単独の治安措置としてではなく、安定の定着を目指すより広範な政策の一部でなければならないとの認識も示した。

イスラエルについては、シリアの権利を維持しながら、軍事衝突を避ける姿勢を示した。

シャルア大統領は、「われわれはイスラエルとのいかなる衝突も避けており、そこにわれわれの利益はない」と明言した。そのうえで、シリア政府は「複数国の参加の下、イスラエルとの安全保障合意の実現に向けて取り組んでいる」と述べた。

さらに、この道筋が成功すれば、「占領下ゴランに対するシリアの権利を放棄することなく、包括的な和平への道を開く」との見方を示し、「イスラエルとの将来の関係は、各段階が適切に履行されるかどうかにかかっている」と確認した。

前述のメディア筋によると、シャルア大統領の発言は、シリア政府が緊張緩和という選択肢と国家的権利の問題を切り分けようとしていることを示している。

すなわち、安全保障上のいかなる合意も、シリア側の要求を放棄するものとしてではなく、衝突の可能性を減らし、より安定した環境を整えるための手段として位置づけようとしているという。

こうした姿勢は、シャルア大統領がシリア外交について、「すべての当事者との信頼を高めるため、信頼性を基礎としている」と述べていることとも一致する。また、この地域は、国家権力の外にある武装集団を支援する政策によって大きな代償を払ってきたとの認識も示されている。

以上の立場を踏まえると、この問題におけるシリアの優先事項は、近隣諸国との安定した関係を構築し、危機への対応における国家の役割を強化することにあるとみられる。

同時に、対話と安全保障・政治面での合意を緊張緩和の手段として活用しながら、占領下ゴランに対するシリアの権利をはじめとする国家的原則を堅持する姿勢も維持している。


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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:62558