《社説》米緬今後の歩み(10-44-20-1)
2014年11月17日付 The Voice 紙

 オバマ米大統領の二度目のミャンマー訪問は、アメリカ合衆国にとってのみならず、ミャンマーにとっても重要な決断、あるいは転換を迫られるものとなることが予想される。
 2012年、大統領二期目に再選された直後、オバマ大統領は初めてミャンマーを訪れたが、その時の状況は、米国議会内においても、民主党内においても、圧倒的な勝利を収めていたことから、オバマ政権としても、民主党の対ミャンマー政策、すなわち飴と鞭、圧力と譲歩の基本原則により、成功という記念碑を打ち立てることができた時であった。
 今回、2014年終盤の二度目の訪問はというと、以前の状況とは大きく変わってしまった。アメリカ合衆国を含む国際社会が強く望んでいた平和的改革のための一連の取り組みに対する懐疑心が大きくなってきた。
 特に態度が強硬だと批判されているミャンマー国軍に、憲法に含まれる第59条(サ)と第436条に関して、変更修正の様子が認められないことが疑念を生んだ主な要因であった。
 そのほか、どちら側が始めたのであれ、国軍と一部の少数民族武装勢力の間に戦闘が発生しており、所謂ステイトスポンサー[国家による動員]と呼ばれる政府、権力者らによる支援が疑われている宗教の仮面を被った暴動を扇り悪化させる諸々の運動も展開、利用された一部メディアの倫理規範に悖る記事が掲載になり、カレン武力組織勢力は結集、一握りの少数者だけが巨富を築くことになる経済改革はなされても、諸外国の投資と諸外国の銀行事業参入の妨げとなる規定や法律、個人の利益堅守を優先する法律のみを起草承認する一方で、国民の多数を守り、利益をもたらす新しい法律の起草制定、現行の劣悪な法律の改正のような課題については無視を決め込んでいると批判を受けている議会等々を見ても、あたかも変革を後戻りさせているかのような状況にある。
 オバマ政権の立場でも、ミャンマーの国政について、より毅然とした態度で対応することを望む共和党議員らが権力を握っている議会の基本姿勢と、あまり齟齬を来すこともできない。しかし、もともとの方針であった圧力を緩和する姿勢について、それを変えるのではなく、若干圧力を強める戦略に舵を切る可能性はある。最近、ウー・アウンタウンを経済制裁の対象とした事実がそれを証明している。
 ミャンマーの方向付けを決める権力の中枢にいる人々の間でも、少数の強硬派がトップに就いているため、穏健派が先に取り纏めたものが、後足で砂をかけ消すが如き状況にあるのを、オバマ政権はしっかりと看取する必要がある。
 同様に、不当な扱いに対する憤り、思うに任せぬ不満、苦々しい悪感情を抱きつつ、あらゆるものを見る一部の野党勢力の反応は、権力を掌握している強硬派の態度と似ているところがある。そのような拒否反応が、元来からある恐怖心に基づいて、あらゆることを疑いの目で見ることが身についた個人、組織を、より高い壁で強固に囲う結果を招いてしまっている。
 いずれにせよ、オバマ米大統領の二度目の訪問では、未成熟な国政、人々と関わる端緒ももたず、憮然とした応対、私利私益を固守し、古い形態から未だ抜け出せることのできないないそれらの人々と6000万人の国民の利益とを、比較斟酌できる基本姿勢で相対し関わるべきであることを、強く注意喚起し訴えたい。

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( 翻訳者:松浦 宇史 )
( 記事ID:1165 )