2016年のピューリッツァー賞:AP通信とベトナム系アメリカ人作家などが受賞
2016年04月19日付 VietnamPlus 紙
4月18日、アメリカニューヨークのコロンビア大学において、ピューリッツァー賞授賞式が行なわれた。最上の賞である公益賞は、東南アジア地域の漁船での奴隷的境遇を暴き出した一連の記事でAP通信に与えられた。
この記事によって、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマーの2000人以上が漁船での奴隷的境遇から解放された。
AP通信の記事は、多くのアメリカの企業に、東南アジアからの海産物を供給してきた多数の会社(この中にはタイで登録されている会社が少なくない)をボイコットする宣言をさせた影響力を与えた。
結果的に、タイとインドネシアは、両国において水産業の抜本的改革を進めることとなった。
2015年のピューリッツァー賞で大きく勝利した新聞社である『ニューヨークタイムズ』は、今年は2つの賞を受賞した。アフガニスタンの女性たちが受けている虐待や差別の状況を調査した記事で国際報道部門賞を受賞し、ヨーロッパで避難先を求めて移住する人々の「出国」の写真で「ニュース速報写真」部門でロイター通信と共同受賞した。
昨年と同様、『ワシントンポスト』紙は、2015年にアメリカ全土で警察官が射殺した事件数の統計を書いた記事で国内報道部門において1度名前が出てきただけであった。
『ロサンゼルスタイムズ』紙は、サンバーナディーノでのテロ事件についての一連の報道でニュース速報報道部門を受賞した。
ピューリッツァー賞が雑誌の記事も受賞の対象とし始めて1年、雑誌『ニューヨーカー』は、テレビ批評のルポルタージュと太平洋北西部における大地震発生の危機についての調査記事で初めて2つの賞を受賞した。
フィクション部門は、ベトナム系アメリカ人であるグエン・タイン・ベト氏の処女作『The Sympathizer』に贈られた。
かなり意外であった点は、『ニューヨークタイムズ』紙と共にアメリカの三大有力紙である『USAトゥディ』紙と『ウォールストリートジャーナル』紙の二紙が、今年のピューリッツァー賞の授賞式では一度も名前を呼ばれなかったことである。
ピューリッツァー賞は、1917年に先駆的出版人ジョセフ・ピューリッツァーによって創設され、アメリカのジャーナリズム業界では最も名誉ある賞として知られている。
ジョセフ・ピューリッツァーは、ピューリッツァー賞を授与した最初の数年間、経済的援助を行い、コロンビア大学を賞の審査機関として指定した。これまで、『ニューヨークタイムズ』紙が117回と最も多くの賞を獲得した新聞となっている。
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( 翻訳者:尾崎菜南、橋本実穂 )
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