フンイエン省、国宝メーソー寺観音仏像を公表
2019年05月23日付 VietnamPlus 紙
19世紀初めにつくられた国宝の千手千眼観音仏像
メーソー寺千手千眼観音仏像は唯一のオリジナルな実物で、仏像には現在ベトナムで最も多い1014の腕がある。
5月23日、メーソー寺において、フンイエン省ヴァンザン県は千手千眼観音仏像に対する国宝認定の政府首相決定第1821号を公表した。
これは、希少な古い像で、ベトナムにおける古い千手千眼観音仏像の作品芸術の頂点となる3体の傑作の一つだ。
メーソー寺の千手千眼観音像は唯一のオリジナルな実物で、独特な表現様式を持ち、昔の名匠が工夫を凝らした伝統的な手工芸彫刻技術によって製作され、19世紀初めの美術の代表作となった。
仏像は現在ベトナムで最も多くの手を持ち、1014の腕がある。それぞれの腕は手のひらに精巧に作られた目を持ち、異なるいくつもの層に分かれている。
像の大きな腕は主となる腕から作られているだけでなく、肘の折り曲げた部分にも加えられている。最上部の手(化仏の手と呼ばれる)は観音の冠の上で組まれて、蓮台と小さな仏像を支えている。
この像の最も印象的で独特な点は、腰の後ろに普礼の対の手が加えられていることで、多方向に開かれた空間と、親しみと荘厳さを合わせ持つ霊験に溢れた神の芸術造形となっている。
その他にも独特で特別なのは、像の頭の上側で、光背のてっぺんに磬形の雲と前方に曲げた小さな腕が組み合わせて浮き彫りにされ、まるで孔雀の翼が仏を隠すような姿勢をしていることだ。下側は阿弥陀三尊像で、阿弥陀仏が蓮台の上で座禅を組んで中央に座り、両側には蓮台に立つ観世音、勢至菩薩が付き添っている。
メーソー寺千手千眼観音像は代表的な文化的歴史的価値を持つ実物で、それぞれの時代のベトナムにおける仏教の長期にわたる影響の存在と発展の過程を明示している。
この像は一般的な宗教的意義を持つ作品であるだけでなく、多くの深淵な理念と仏家の祈りが込められており、1つの小宇宙であり、綿密な法則に従って作られている。それは常に対立する範疇の組み合わせを含みつつも統一している五行陰陽と八卦の法則である。
昔の芸術家たちの造形における芸術創造精神と技術的特徴を色濃く表したこの像の極めて精巧で独特な造形によって、この像はベトナムの彫刻芸術における貴重な財産となった。
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( 翻訳者:松澤秋子 )
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