都市化の圧力によって、脅威にさらされる文化遺産や建築空間
2019年12月09日付 VietnamPlus 紙
ホーチミン市人民委員会庁舎
ホーチミン市人民評議会常任委員会のレポートによると、多くの文化遺産、都市建築空間が都市開発の過程で圧力の脅威にさらされている。
市内の文化遺産、都市建築空間が都市開発の過程での圧力や人口増加、また市の社会経済発展のための建造物建設投資による土地の圧力の脅威にさらされている。
これは12月8日の午後に行われた第9期市人民評議会の第17回定例会議における市内の遺産と都市建築景観保全についてのテーマ別モニタリングの結果報告に基づくホーチミン市人民評議会常任委員会の見解である。
市の文化遺産は非常に豊かで、歴史的、文化的、芸術的、建築的価値を持ち、歴史の痕跡や、信仰・宗教施設、公共建造物、国家機関などがある。
市には、カ・チュー、南部のドンカータイトゥー(アマチュア音楽)、カン・ゾー県のギン・オン祭の3つの認定無形文化財ががある。また5区の華人の元宵祭については、市は文化スポーツ観光省に国家無形文化遺産のリストに掲載してもらうため関係書類を送っている。
市には現在、認定されている172の文化歴史的遺産と13の博物館があり、各博物館は約54万800点の実物や史料、さらに政府が認定した15の国宝を所蔵している。市の建築景観はまた非常に豊かで多様であり、1000を超える1975年以前のヴィラは建築的、芸術的、歴史的に価値を持つ。
2009年から現在までに、市は32の遺跡を修理、改修するために予算を分配し、総額5000億ドンを投じてきた。投資額1200億ドンの修理改修プロジェクトを承認し、投資準備に2000億ドンが投じられた。このほかに、遺跡改修の社会運動化による資本がおよそ4000億ドンで、主に信仰・宗教施設を中心とした20以上の遺跡が修復された。
ホーチミン市人民評議会常任委員会の評価によれば、多くの努力があるにもかかわらず、市の遺跡と都市建築景観の保全は、より困難に、複雑になっている。経済発展と都市化プロセスの圧力と、保全と発展のバランスは都市建築景観の分野においては、難しい課題である。
中心部で建設された、また建設されつつある建造物の多くは各建築景観、ひいては都市景観の構造に影響し、これらを変化させる。各文化遺産や、都市建築空間は、部分的に変形していたり、失われていたりし、都市開発の過程での圧力や人口増加、また市の社会経済発展のための建造物建設投資による土地の圧力の脅威にさらされている。
一方、都市遺産の保全に関する規定の設置は、都市発展のプロセスに比較すると遅れを取っている。遺跡点検リスト中の各建築や土地は、持ち主が遺跡認定の運動を行うことは難しい。特に現在、市庁舎や、市郵便局、ベンタイン市場、タンディン市場、チャンタラングサイ寺(クメール寺院)、ヴィンギエム寺、聖マリア大聖堂などの非常に重要な建造物も未だに遺跡に認定されていない。
市党委員会宣伝教育委員長のファン・グエン・ニュー・クエ議員は、以下のように述べる。「これまで私たちは、遺産管理業務と、遺産価値に対する社会意識が未だ高くないこと、そして適切な処罰方法がないことに非常に困惑してきました。遺産と都市建築は、まさに市の「魂」であり、もし我々が遺産や都市建築を遅れた解体すべきものと見なせば、我々は我々自身を失うことになります。人々に、市の「魂」の価値を理解し、尊重してもらうよう宣伝する必要があります。同時に、遺産関連業務を行うための人員の養成、訓練にも注力する必要があります」。
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( 翻訳者:広瀬ないる )
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