ベトナムの芸術家、傑作『翹伝』をバレエの舞台で上演
2020年06月02日付 VietnamPlus 紙
バレエ『翹』には多くの有名な舞踊家が参加する。
バレエ『翹』には、以前に制作された『翹伝』(グエン・ズー)を翻案した劇や映画版と比べて異なる点が多くある。
『翹伝』はベトナムの芸術家たちによって初めてバレエの舞台で上演される。予定では6月にホーチミン、8月にハノイで正式公演を行う。
優秀芸術家で振付師のトゥイエット・ミンは、バレエ『翹』は3幕15場面を含むと語った。この作品には、以前に制作された『翹伝』を翻案した劇や映画版と比べて異なる点が多くある。
簡潔なボディーランゲージと豊かな表現性を伴い、このバレエは登場人物・翠翹の断腸の15年の道のりをすべて再現する代わりに、翹が亡霊・淡仙に3度出会うというストーリーと場面を描き出すことに焦点を当てている。劇全体の成り行きは、4度にわたって翹が琵琶を演奏することで表されることになっている。
それぞれのシーンにおいて琵琶の音色は様々な色調を帯びる。時に優美に、悩み深く、時にむせび泣き、痛ましく、時に悶え叫び絶望する。ベトナムらしさを出すために、このバレエの音楽を制作する際、2人の音楽家(ヴィエト・アインとチン・バー)は西洋のクラシック音楽とカーチューやサーム、チェオといった各種のベトナムの伝統音楽を組み合わせた。
「『翹伝』はイメージに富み、内容には脈略があり、はっきりとしたメッセージを持っています。そのうえ、作品内の各登場人物は運命と特徴的な性格を持っています。これは大詩人であるグエン・ズーの傑作をバレエにするにあたって有利な条件なのです」と振付師のトゥイエット・ミンは語った。
彼女によると、バレエ『翹』は西洋のクラシックバレエの技術と東洋の伝統民間舞踊の趣を合わせたものである。
バレエ『翹』には優秀芸術家のホアン・イェン(翠翹役)、ミン・タム(亡霊・淡仙役)、スン・アー・ライン(ナレーター兼秀婆役)、ドゥック・ニュアン(金重役)、ホー・フィー・ディエップ(徐海役)などの舞踊家が参加している。
優秀芸術家で振付師のトゥイエット・ミンは、彼らは皆経験を積んだ現代舞踊舞台の将来有望な顔ぶれであると語った。特に優秀芸術家のホアン・イェンは美しい容姿と優れた技術を持つ俳優であると評価されている。ホアン・イェンは今までに『くるみ割り人形』や『カルメン』などの有名なバレエでソリスト(1人で踊る人)の役割を引き受けてきた。
このバレエはベトナム舞踊家協会によって内容を指導されている。バレエ『翹』の上演は大詩人であるグエン・ズーの没後200年(1820-2020)を記念する活動の1つである。
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( 翻訳者:山崎瞭子 )
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