映画「10月になれば」:ベトナム映画を世界に送り出した鳥の翼
2020年11月18日付 VietnamPlus 紙
ベトナムは「The White Silk Dress(ハドンの絹の服)」や「Rom」など世界に誇る映画を生み出してきたが、それ以前にも、素朴でありながら傑作とされている作品が存在する。それは「10月になれば」[訳注:1984年制作]である。
ベトナムは「The White Silk Dress」や「Rom」など世界に誇る映画を生み出してきたが、それ以前にも、素朴でありながら傑作とされている作品が存在する。それは「10月になれば」である。
この映画ではズエンという戦争で夫を亡くした女性について描かれている。ズエンは夫が亡くなったことを家族、特に重い病気を患う舅に黙っていた。舅を励ますため、ズエンはカンに頼み、夫が生きていた頃のように家族に宛てた手紙を書いてもらう。その手紙は家族に喜びをもたらすが、同時にズエンは一人で苦痛に耐え涙を堪えなければならなかった。舅は死に際になって最期に息子に会うことを望み、夫の死をそれ以上隠しておけなくなる…。
ダン・ニャット・ミン監督によるこの映画の脚本は、彼の家族の苦痛、そして当時何万ものベトナムの家庭も経験したであろう苦しみを元に描かれている。彼は質の悪い古い映画用カメラを使って様々な困難を乗り越えようと努力した。その後、フイルムが壊れてしまった部分を他のカメラを借りて取り直さなくてはならないこともあった。
この映画は国内外の数々の賞を受けている。またCNNによって、アジアの各時代で最も素晴らしい18作品のうちの一つに選ばれたことは特筆に値する。
訳注:記事の原文には映画「十月になれば」を紹介する動画があります。
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( 翻訳者:岩重綾乃 )
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