ポクロンガライ塔:ニントゥアン省チャム人の霊魂の象徴
2020年12月11日付 VietnamPlus 紙
塔区域の全景
この塔は、ジャヤ・シンハヴァルマン3世によって、13世紀末から14世紀初頭にかけてポクロンガライ王を祀る為に建てられた。1979年にこの芸術的建築遺跡は文化省により国家特別遺跡に認定された。
ポクロンガライ塔は精霊を祀る寺院であり、ニントゥアン省に住むチャム人コミュニティの誇りであり、象徴でもあるとされている。塔はファンラン市から西へ9km離れたドービン区に属するチャウ(檳榔)の丘の上にある。
チャム塔で解説員を務めるスー・ヴァン・ティエン氏によると、この塔は、ジャヤ・シンハヴァルマン3世によって、13世紀末から14世紀初頭にかけてポクロンガライ王を祀る為に建てられた。
ポクロンガライは主塔、火の塔、そして楼門の塔の3つの塔があり、暗赤色のレンガから作られている。これら3つの塔の中で、楼門の塔や火の塔は祭祀には使用されておらず、主塔のみがポクロンガライ王を祀る場所となっている。
遺跡群の前側には5m以上の高さを持つ楼門の塔があり、非常に精巧な文様が彫刻されている。この場所はその昔、儀礼の場への出入り門であり、礼拝や王の客人を応接する場であった。
真南には火の塔があり、この塔にはチャム族の伝統家屋の建築の特徴がある。この塔には湾曲した船のような形をした屋根が2つデザインされている。これは古代チャム人の独特な文化である。その昔、火の塔はバラモンの礼拝の場であり、チャンパ王が必要とする品々や衣服を保管する場所であった。
更に奥へ進むとポクロンガライ塔の建物群の中心である主塔がある。主塔の高さは約20m以上であり、複数階建てのデザインである。塔の角周辺にはいずれも動物の石像や火のシンボルがついている。
この塔は東向きに1つ入口があり、上側にはチャム族にとって神聖な神、シバ神の姿が彫刻され、下側には塔を支える2本の石柱があり、古代チャム文字が彫られている。更に奥へ進むとシバ神の乗り物であると考えられている牛が彫刻された石像がある。寺院の内部には国家統治に大きな功績のあった王がムカリンガの表象によって祀られている。
この塔は建築面で意義があるというだけではなく、チャム人のコミュニティにとって神聖な場所でもある。
スー・ヴァン・ティエン氏は以下のように述べている。「この場所は文化・信仰の中心地と見なされている為、現在もチャム人のコミュニティは祭祀を行い4つの祭礼で信仰している。このうち最も代表的なものはチャム暦7月1日(新暦の9月、10月頃に当たる)に行われるカテ祭である」。
歴史的変遷と時間による破損を経ながら、ポクロンガライ塔は今もチャム文化の有形の遺跡や伝統的価値を保持している。1979年にこの芸術的建築遺跡は文化省により国家特別遺跡に認定された。
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( 翻訳者:内海沙姫 )
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