ベトナム記録機構は「ベトナム戦時日記」全集を顕彰
2020年12月16日付 VietnamPlus 紙
「ベトナム戦時日記」全集
「ベトナム戦時日記」全集は、史料的、歴史的、文化的、社会的な価値などに加え、英雄、戦没者、退役軍人らが次世代に残した無限の価値を持つ遺産と見なされている。
12月16日の夜、「永遠に20歳」基金は人文社会科学大学と共同で、芸術交流プログラムを開催して、歴史の証人との「ベトナムを頑強に」という名の会合を持ち、「ベトナム戦時日記」全集を顕彰する2つの国家記録の公表式典をハノイで行った。
このプログラムは、ベトナム人民軍創設76周年(1944年12月22日〜2020年12月22日)と全人民国防の日31周年(1989年12月22日〜22日)を記念して開催された。
このイベントには、軍事学博士で人民武装勢力英雄、「永遠に20歳」基金理事長であるドアン・シン・フオン中将や、人文社会科学大学退役軍人会の代表、および多くの代表者が参加した。
特に、このイベントにはクアンガイ省からの歴史の目撃者である2人の退役軍人が参加した。フイン・ドアン・サン退役負傷軍人とグエン・タン・モット退役軍人はどちらも、当時激戦地であったドゥックフォーで、戦没者ダン・トゥイ・チャムさんと共に戦った仲間である。
フイン・ドアン・サン退役負傷軍人は、ダン・トゥイ・チャム医師が手ずから虫垂炎の手術を行った兵士である。トゥイ・チャム医師は、日記の最初のページでサン氏について言及している。
グエン・タン・モット退役軍人は、ダン・トゥイ・チャム医師が受け持っていた診療所の看護師であった。モット氏は、ダン・トゥイ・チャム医師の遺骨を平野に持ち帰るためこの戦没者の家族を山に連れて行った人であった。
交流会では、参加者たちは2人の退役軍人、フイン・ドアン・サン氏とグエン・タン・モット氏が戦時中のことや、戦没者ダン・トゥイ・チャム医師について語るのを聞いた。
このイベントでは、「ベトナム戦時日記」全集を顕彰する2つの国家記録の公表式典が行われた。その2つは、「永遠に20歳」基金(ハノイ市)の顕彰と、記録家であり作家のダン・ヴオン・フンの顕彰である。
このうち「永遠に20歳」基金は「ベトナム戦時日記」全集の起草、出版と、ベトナム戦争時の31人の著者の31の日記をまとめ、編纂した功績があった組織である。
作家のダン・ヴオン・フンは「ベトナム戦時日記」全集を16年間(2004年から2020年)に渡り収集、紹介し、主編者を務めてきた。ベトナム戦争時の31人の著者の31の日記をまとめ、編纂した功績があった。
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「ベトナム戦時日記」全集は4巻から成っており、各巻は1000ページを超え、作家ダン・ヴオン・フンが主編者を務めた31人の著者の31の日記が収められている。
「永遠に20歳」基金が「兵士の心」クラブと連携して起草し、作家協会出版社が認可を出した。
全集は退役軍人や作家のダン・ヴオン・フン氏と共に、著名な詩人、作家、教師、ジャーナリスト、歴史家らが編集に参加して16年間(2004年から2020年)に渡り実施し、心血を注いだ事業である。
特筆すべきことは、この全集で取り上げられている著者の三分の二はすでに亡くなっているということである。多くの人々が戦場に散るか、戻ってから亡くなるか、負傷や戦争の後遺症で亡くなっている。
史料的、歴史的、文化的、社会的価値の他、「ベトナム戦時日記」全集は、英雄、戦没者、退役軍人らが次の世代に残した無限の価値を持つ遺産であると言える。
2020年4月30日に読者にお披露目されて以来、全集は読者から賛同と高い評価を受けている。報道機関の立ち合いのもと、全集を紹介し歴史の証人らと対面するフォーラムが2つ、ホーチミンと首都ハノイとで開催された。
何百もの記事、ラジオ、テレビ番組が「ベトナム戦時日記」全集を紹介した。4万人以上がフォーラムに参加しているフェイスブックのグループ「兵士の心」で、本の内容のPDFコピー数万ファイルが無料で共有されている。
そのため、ベトナム記録機構の評議会は「ベトナム戦時日記」全集に対し2つの国家記録の内容の価値を確立、顕彰することに、絶対的な賛同で票を投じた。
訳注:同全集は本学図書館に配架される予定。
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( 翻訳者:中村健志郎、森本悠太 )
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