軍評議会の打倒とフェデラル制推進を目指すと国民統一政府
2021年04月16日付 その他 - イラワジ 紙


連邦議会代表委員会(Committee Representing Pyidaungsu Hluttaw : CRPH)は本日、国民統一政府(National Unity Government : NUG)を樹立したと発表した。[その政府には]2020年11月の総選挙で当選した代議員の他に少数民族の代表と軍事クーデター反対のデモのリーダーも含まれている。

フェデラル民主主義を同時に推進することができるよう、少数民族武装組織のみならず、クーデター軍評議会に協力しない政党を招き入れ、2020年総選挙で「国民が負託した執行する権力を用い」このように国民統一政府が出現するよう取り組んできたことを連邦大臣ウー・ルインコーラッが本日オンラインで開催された記者会見で話した。

「現在の暫定政府は、独裁者を打倒するべく闘うと同時に、フェデラル憲法を誕生させる目的も持っている。主にその二つの責務を果たしていくものである」と彼は述べた。

また「フェデラル民主主義憲章を出現させて、さらに国民統一政府を誕生させるために、何日も不休不眠で調整協議してきた」と彼は話した。

国民統一政府は、2020年の総選挙で当選した国民民主連盟(National League for Democracy : NLD)の代議員らと、軍事クーデターに反対するデモのリーダー、さらにカチン、カレン、カレンニー、チン、タアン、モンとカヤンの少数民族らにより組織されていることがわかる。

国民統一政府の大統領として、ウー・ウィンミンが引き続きその任を担い、国家顧問の職責をドー・アウンサンスーチー、副大統領をカチン民族のリーダー、ドゥーワーラシーラ、首相には以前の民族代表院議長のウー・マンウィンカインタンが任命されている。

副大統領として職務を担うドゥーワーラシーラは、法律の専門家で、カチン民族の諮問組織において、議長として職責を担っている人である。

カチン民族諮問組織は、2002年以来結成された組織であり、宗教、社会、政治、経済、市民社会組織、民衆リーダーなどカチン民族内のそれぞれの分野をリードするすべての人が入っている組織である。

国民統一政府は、外務、内務と入国管理、防衛、フェデラル連邦問題、企画経済と投資、人道問題と自然災害計画、国際協力、教育、保健、天然資源と自然環境保護、女性・青年と子供問題など11の省からなる。

ウー・ウィンミン、ドー・アウンサンスーチー、マンウィンカインタン、ドー・ズィンマーアウン、ウー・ルインコーラッ、ウー・イームン、ウー・ティントゥンナイン、ドクター・ウィンミャッエー、ノースーザンナーフラフラソー、ドクター・シュエポンは、2020年総選挙で当選した議会議員である。

その中で防衛大臣に任命されたウー・イェームンは2015年、2020年の選挙で2回にわたって当選した人で、1988年民主化運動にも身を投じ、医学部の4年生で放校処分となった人である。

防衛省の副大臣として、新しいモン州党(New Mon State Party : NMSP)の顧問ナインカウンユエッと政治・軍事専門家のドー・キンママミョウが就任することが分かった。

防衛省副大臣として加わるモン民族のナインカウンユエッは、新しいモン州党の元少佐で、ベテラン政治家である。新しいモン州党を2008年に引退し、現在はタイとの国境で暮らしているとのことである。

天然資源と自然環境保護省の連邦大臣ドクター・トゥーカウンもカチンの政治に絶えず参画してきた人で、教育副大臣であるドー・ジャートゥエパンもカチン独立軍(Kachin Independence Army : KIA)の教育局を率いてきた人である。

ドー・ジャートゥエーパンは、人類学の専門家でもあり、カチン独立軍とカチン民族に対して影響力を持つ叙階を受けた神父マランジャーグンの娘でもある。

彼らは政府の教育制度が行きわたらないカチンの青少年のために、KIAの教育局が開設している教員養成カレッジ、大学という教育機関で、カチンの青少年に諸外国[と同様の]教育が受けられるよう推進してきた人の一人である。

国民統一政府でフェデラル連邦に関わる大臣にチン民族で、チン民族戦線(Chin National Front : CNF)の副議長ドクター・サラインリャンフモンサーカウンと副大臣としてタアン(パラウン)民族政党(Ta-Arng (Palaung) National Party : TNP)のウー・マインウィントゥーが就任する。

ドクター・サラインリャンフモンサーカウンはミャンマーの一連の和平構築事業に積極的に参画してきた人であるだけでなく、フェデラルという考え方に関わる書物や論文を数多く執筆してきた人でもある。

カレンニー民族発展党(Karenni National Progressive Party : KNPP)の中央委員会委員であるクーテーブーは、内務・入国管理省の副大臣として職務を遂行する。

カヤン民族党(Kayan National Party : KNP)の議長クンビートゥーは、天然資源・自然環境保護省の副大臣の責務を担う。クンビートゥーは、カヤン民族党の議長であり、政治に積極的にかかわってきた青年リーダーの一人である。

2008年憲法のビラを配布したとして逮捕され、7年間投獄された。ウー・テインセイン大統領の時代に刑務所から釈放された一人である。

カレン・ウィメンズ協会(Karen Women's Organization : KWO) のノートゥーポーは、人道支援・自然災害計画省の副大臣を担当する。軍事独裁反対の抗議運動に精力的に参加、活動してきた学生リーダーの一人であるドー・イティンザーマウンは、女性・青年子供問題省の副大臣に就任する。

ドー・イティンザーマウンは、シャンニー民族の一人で、全ビルマ学生連盟連合(All Burma Federation of Student Unions : ABFSU)に所属していた一人である。

彼女は2020年の総選挙で新社会民主党(Democratic Party for New Society : DPNS)から出馬したが当選しなかった。この「春革命」において真っ先にデモ行進を積極的に率いた一人である。

国民統一政府内で、シャンとラカイン民族の代表はまだ確認できていない。

しかしながら、多くの人が尊敬するベテランの抵抗運動の元学生指導者、ウー・ミンコーナインも10分間のビデオでスピーチを述べ、政府の枠をさらに広げて組織すると話した。

ウー・ミンコーナインは、まもなく発表される国民統一諮問評議会(National Unity Consultative Council : NUCC)を代表して自分が話したと述べている。

先ごろ本誌が行ったインタビューにおいて、ウー・イェームンは3月31日の「フェデラル民主主義憲章」を少なくとも4組織と協議し同意を得て決定したこと、NUCCもまもなく発足すると話した。

「選挙で選ばれた議会議員のグループも含まれている。政党も含まれる。CDM(市民的不服従)のリーダー、デモのリーダー、女性、青年などの市民社会組織も含まれる。NUCCもこれら4組織を中心にして、組織されるだろう。NUGはNUCCと調整して憲章に含まれる政治ロードマップを実行に移していくことになる」。

Irrawaddy 2021/4/16

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( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(HM) )
( 記事ID:5855 )