ピューソーティーとはだれなのか。彼らは何をしているのか。
2021年05月12日付 その他 - ラジオ・フリー・アジア 紙


最近、ピューソーティーと呼ばれる武装集団が現れ、民間人の服装で民間人を追い詰め拘束している。この集団には引退軍人、連邦団結発展党(USDP)のメンバー、民族宗教保護協会(マバタ)(注1)やコミュニティの密告者(ダラン)などが関与しているという情報が出ている。国民防衛部隊も、彼らは真っ先に排除されるべきだと述べている。

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最近、ピューソーティーと呼ばれる武装集団が登場した。そのメンバーのフェイスブック・アカウントでは、国家ができる限りうまく回っていくように、軍評議会の支援グループとして、国家統治評議会、州・管区統治評議会などと連携していること、その集団には、引退と現役の軍人とその他の一般市民が参加していることなどが示されている。

なかには、反・連邦議会代表委員会(CRPH)、反・国民統一政府(NUG)、さらには、過激な宗教関連の文章を書いているものもいる。この集団は、一般人の服装をして、マスクや帽子を着用し、自家用車に武器を隠し持ち、彼らが対象とした人間を違法に襲撃し、逮捕しているとのことである。

そうした集団の参加者は、軍隊、警察隊の代理として活動しているのであり、連邦団結発展党(USDP)のメンバーも含まれていると、ミャンマー国民主権全国ネットワークのミョーヤンナウンティン会長はRFAに語った。

「市民の春の革命に対して、軍は、ピューソーティーを組織して弾圧した。軍が撤退し、ピューソーティーを残していったという感じだ。警察隊の権限は非常に限られているため、ピューソーティーを違法に働かせておくという意味だ。彼らは人々を捜しだして、捕まえる。
抗議活動を行う集団を拘束する場合、軍や警察をもはや使わない。ピューソーティー組織が捕まえる。キンニュン時代に、諜報機関に全面的に権力を与えていたように、ピューソーティー組織に権力を与えているとわかる。
ピューソーティー組織にはスパイ(ダラン)も含まれる。民族宗教保護協会(マバタ)の人間もいる。連邦団結発展党(USDP)のメンバーが主に組織したといわれている。一部には退役軍人も含まれるという。
昨日はこの集団がマンダレーでマスクを着用し、短パン姿で銃を持って人を逮捕していたとのことである。彼らには銃が与えられているのだ。彼らの主な目的は、国民防衛部隊が侵入した場合に迎え撃つことである。
したがって、我々全ビルマ主権ネットワークがピューソーティー組織を調査し、裁判員方式の司法制度(注2)を通じて裁判にかけることを計画している」

ミョーヤンナウンティン会長は、ピューソーティーについて知っていることがあれば、彼らに連絡し、知らせてほしいと述べた。連邦団結発展党(USDP)の報道担当ウー・ナンダフラミンは、ピューソーティーという団体について、彼らの党は全く関係していないと、関与を否定した。

「本党が組織したものではないことは確実だ。違法の行為はどんなことであれ、我々は奨励していない。同意もしていない。そうした行為には全く関与していないといいたい」

最近ザガイン管区カニー郡で国民防衛部隊を指揮している人間は、以下のように語った。

彼らの郡内でこうした集団が活動する許可を与えることはない。現在、軍評議会側の軍隊はかなり痛手を被っている。重要な点は、市民側は前装銃(トゥミータナッ)で戦闘に参加しているのであり、最新式の武器があれば、防戦から攻撃に変えられるとのことである。

「現在、カニー郡での戦闘を要約すれば、軍評議会側は、戦力的に100人以上を失った。我々のほうは、死者は30人に満たない。
カニーでの戦いを率いる青年として明言する。
私たちは闘う。必ず勝つ。我々国民軍をカニー郡のなかまで探しに来るがいい。現在軍評議会側軍と向き合っているのは、まだまだほんの少数である。

クーデター軍が本当に勇敢だったとしたら、私たちのカニー郡に一斉に侵入してみるがいい。我々と敵対するなら、こちらの銃は5人向かってきたとして1発の発砲で5人すべてを殺す。

重要なことは、我々国民が手を取り合って一致団結することである。国中が我々カニーの土地のように立ち上がれば、こんな輩にとって、ミャンマーの土地は死ぬためだけにあり、そこで暮らすための土地を与えてはならないと固く信じている。
我々の側は一人倒れたら、背後で10人が立ち上がる。
彼らの場合、一人がやられたら、その一人に変わるものはない。
そうやって、我々市民はずっと闘っていくのだ。

春の革命にはなんとしても勝たねばならない。
そして実際になんとしてでも勝つ」

春の革命の地下運動の別の指導者は匿名を条件に、国内戦争がしばらくして開始したら、そうしたピューソーヒティー組織の参加者を彼らは真っ先に攻撃するはずであるとRFAに語った。

ラジオ・フリー・アジア 2021/5/12


注1:民族宗教保護協会(マバタ)とは2013年に準備・結成された出家を核とする団体で、民族宗教保護法の制定を目的としている。反ムスリムを唱道するものが多数参加していた。法律制定の前後から当時与党の連邦団結発展党と関係を強め、2017年に国家サンガ組織より解散命令が出るが、別名で活動は続けられた。
注2:裁判員方式。1974年から1988年までのミャンマー社会主義政権時代には国民から選ばれた代表が裁判員を務める裁判員制度があった。本記事では制度の詳細は言及されていないが、上記社会主義時代の制度をもとにしている可能性がある。

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( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(TK) )
( 記事ID:5941 )