国境を越えた支援はタイ経由で再び入ってくるのか
2021年10月27日付 その他 - カレンインフォメーションセンター 紙


ミャンマーで高まる人道支援の必要性に応えるべく、アメリカ政府がタイ政府と国境を越えた支援を提供できるように会議してきたことに対して、カレン民間組織は歓迎し、それが最善の方法であると述べた。

タイとミャンマーの国境一帯において、軍事クーデター以降必要とされている人道支援がタイ経由で国境を越え、戦闘から逃れてきた難民に行き渡るようにするため、アメリカとタイの政府の責任者が会談しているというニュースが上がったことに対して、カレン民間組織はそのような方法が実現することを期待している。

10月19日、米国務省のデレク・ショレ参事官とタイ外務省高官が会談した後、ミャンマーについてのタイとASEANの対応及び、タイとアメリカが協力し、ミャンマー国民のための人道支援をタイ国境経由で届けることを会議した。

難民を支援している市民社会組織は、このような会談に対して、国境を越えた支援は最善の方法であると述べた。

現在、どのように国内支援をするにしても簡単ではない。SACと呼ばれる軍評議会の軍隊による様々な禁止妨害に加え、戦闘が発生しているために逃げまどう国民もますます多くなってきている。

カレン女性組織(KWO)の書記であるノーカニョーポーは、国内援助が簡単ではない状況において、国境を越えた支援は容易な方法であるとKICに述べた。

「どのような状況であるかというと、現在輸送が簡単にできない。費用も法外にかかる。しかも、これをひそかに行わないといけない。本当に重要なことである。これは、住処を棄て、逃げ隠れせざるを得ない国民にとって大変助けになるだろう。国内で往来が簡単ではない状況において、国境から入ることができれば最善で最も容易である」とノーカニョーポーは検討して述べた。

カレン民間組織の関係者によると、カレン州のKNU支配地域内では、クーデター後女性や子どもを含む10万人以上の国民が、山中に逃げ込んで隠れている間、食糧不足、自然災害、コロナウイルス感染症により、生き延びるために緊急支援を必要としているとのことだ。

KNUとミャンマー政府が和平交渉を開始した後、2013年ごろから国境を越える支援に対しての関心が薄れてきた。支援のほとんどは、国内のヤンゴンから実施されるようになった。

そのような取り組み(支援)は、ミャンマー政府のもとに届いてしまい、実際に支援を必要とする、戦闘に直面している山岳地区の国民のもとに届かないようになってしまったと、カレン救援開発事務所(Karen Office of Relief and Development, KORD)のソーポーチョーが話した。

「現在のように再び支援の準備をするようになってきたのは、協力が再び得られるというからだ。それなら、ずっと前から私たちが行ってきた活動のような形に順調に戻ることができる。本当に困っている人である、山岳地帯に避難し食糧難に陥っている人々のためにも、支援が再び得られるようにする必要がある。そのため、この計画は良いと考えている」と彼は言う。

タイに活動拠点を置くタイ・カレン組織(KTG)は、軍評議会とタイ政府の間に経済に基づく関係があり、隣国という立場ではあるが、アメリカ政府とタイ政府の国境を越えた人道主義的な協力をすることも、タイ政府として許可できるとも述べている。

「タイはミャンマーの実の一番近しい友人だ。私たちが理解できないことはたくさんある。国連が入ってきたとなると、タイ政府はこのまま(訳者注:ミャンマー問題に触れないまま)でいることはできない。国連が入ってきたとなると、真実だけを大切にするタイ政府の一面が見えてくるだろう。こっそりミン・アウン・フライン側に立つ組織も一つ存在することになろう。このような大国の指導者が来たら、タイ政府としては、この状態のままではもういられない。国連が入ってきたとなると、タイ政府としては、許可せざるを得ないのだ」とKTGの顧問ルウェポが話す。

アメリカ政府としてタイと協力してミャンマー国民のために人道支援を行うべきだとの協議を歓迎するように、タイ政府が(人道支援実施を)受け入れられるようアメリカ政府だけが要求するのではなく、地元のカレン武装組織の責任ある人の他、カレン市民社会組織すべてが支援実施受け入れを要求したら、より一層勢いを増していくだろうとも述べた。

現在のようにアメリカ政府の高官がタイ政府の高官らと話し合うことは良いことであり、国境を超えた援助協力実現の可能性があるだろう。しかしこれが実現するためにはアメリカ政府が話しをしにきたから可能性が出てきたわけではない。

カレン社会の組織、カレン民族同盟のような組織もタイ政府高官らとの関係が良好になるように、面会や話し合いの部分で一生懸命に頑張ることも重要であるとサルウィン公共政策研究所のディレクターのソーカピーが述べた。

「アメリカ政府もタイ政府へ伝えるだろう。カレン民族同盟と国境のカレン組織も、タイ政府が(そうした組織との)関係を努力して構築できる場合、実現可能になるだろうと私は思う」とディレクターのソーカピーが述べた。

ミャンマー国民のために国際的な人道支援を行う場合、軍評議会の許可によって支援が行えるというようなことではなく、実際に難民らに支援を行っている組織へ対してのみ行うようにしてもらいたい、とカレン市民社会組織が要請していた。国境を超えた援助協力を10年前のように再び得られるのか、見守っていなければならないという状態だ。

2021年10月27日 カレンインフォメーションセンター

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( 翻訳者:M.Y, M.K, Y.K )
( 記事ID:6147 )