ミャンマーの通貨価値が100%以上下落
2022年08月16日付 その他-ミャンマーナウ紙 紙
ヤンゴン中心部パンソーダン通りのある店舗で紙幣を数える店主(イェアウントゥ/ Getty Images)
ヤンゴン中心部パンソーダン通りのある店舗で紙幣を数える店主(イェアウントゥ/ Getty Images)

クーデター前の2021年1月には、1米ドル1300チャットを超える程度であったが、1年半の間に1米ドル3000チャット、燃料油1リットル2300チャット、金1チャッター(約16.3グラム)250万チャット以上に到達している。

アウンナイン 

軍のクーデター後1年半の間に、米ドル、金、燃料油の価格が毎日高騰しているのと同様、現在の実勢レートによればミャンマー通貨価格も100%下落していることがわかる。
クーデター前の2021年1月には、1ドル1300チャットを超える程度であったところから、現在の実勢レートでは3000チャット前後までに至っており、チャットの価値が100%以上下落している。
今月初旬に軍評議会が1ドル1850チャットから2100チャットに修正してレートを定め、その後、市場でドル価格が上昇しほかの物価も上がっていった。
ドル売買を行う際に、政府規定価格の0.3%(6チャット)のみの差額で売買を行うようにということも、軍評議会が管理する中央銀行が指示を出している。
軍評議会統治下では外国投資、援助および輸出が減少したため外貨収入が落ち込み、国内でドルの需要が高まりチャットに対する信用が落ちている。
昨日(8月15日)、ネーピードーにおいて行われた軍評議会の貿易関連会議に基づいたドルに関連する指示の変更を注視している、とヤンゴン市でドル売買を行っている人が述べた。
「昨日は売買が盛んにおこなわれた。今日は両替商が買い取りを停止しているので、市場でもほとんどが買い取りを停止している」と同氏が昨日述べた。

金価格
政治経済的状況により銀行に対する信用が落ちており、預金引き出しおよびドル・金・不動産への投資のために金価格が高値を記録していることが、先月発表された世界銀行報告書で述べられている。
クーデター前の国内金価格は、純金1チャッターあたり130万チャットを超える程度であったが、昨日には実勢取引市場で250万チャット以上になった。
市場では、実勢価格と金取引事業協会が決めている価格の二種類に分かれている。金取引事業協会の金価格は軍評議会が決めているドル為替レートである1ドル2100チャットに基づくものであるので実勢価格より安いことを、ヤンゴン管区金取引事業協会の責任者が述べた。
「価格が良くなるのを待って売ることなどがあった。また、自分が買ったときに高値だったので安くなったら売らない金持ちもいる」と同氏が述べた。
ヤンゴン管区金取引事業協会が決めた金価格は、昨日、純金1チャッター209万チャット以上であった。先週は実勢取引市場で金1チャッター280万チャットまで上がった後、250万チャットに落ちてきたとのことであった。
金製造精製事業が再び動き出しているほか、装飾品を販売再開したために、国内の金の不足が発生しうること、燃料油高騰のため製造コストが増加してきていることを、ヤンゴン金取引事業協会の責任者が述べた。
金の採掘地であるカチン州タナイン地域においては、通常でディーゼルオイルドラム缶1本分(翻訳者注:1バレル、約159リットル)30万チャット前後であるが、現在は100万チャット前後にまで高騰しているため、金の原料の購入価格も高騰してきたことを同氏が述べた。

燃料油の状況
燃料油の価格も、ドル、金と競うように高くなっており、1週間のうちに600チャット以上急騰した。ヤンゴン、マンダレーおよびほかの都市では品切れのため店を閉じるまでになっている。
昨日、オクタン価92(翻訳者注:日本のJIS規格ではレギュラーガソリンがオクタン価89以上、ハイオクが96以上)のガソリンが1リットル2320チャット、オクタン価95のガソリンは2390チャット、普通軽油2655チャット、プレミア軽油2730チャットであったことが、デンコー・ガソリンスタンドの価格からわかった。
ここ3日間で、シャン州北部ムセにあるガソリンスタンドではガソリンが品切れとなったため、1リットルに満たないガソリン1本を1万チャットで購入したこと、昨日の朝は購入できたがかなり長時間並んで待ち、購入しなければならなかったことを、地元民が述べた。
軍評議会の統治下で燃料油の価格が高騰しているが、高値のままで購入するとしても必要な分だけ手に入らず困難に陥っている、とマンダレー市の会社員が述べた。
軍評議会の報道官ゾーミントゥン少将は、燃料油は品切れではないと昨日述べている。燃料油の価格が適正になるよう、また、燃料油の品切れがないよう管理していると言っており、販売を中止している者や制限を付けて販売している者を取り締まるとも軍評議会が発表している。
外貨不足による困難に直面しているクーデター軍評議会は、海外の銀行からの借入金返済を停止するよう7月に国内の銀行に指示を出している。
米ドル保有量が減少している軍評議会は、ドルの使用を減らす目的で、ぜいたく品のみならず必需品として国外から輸入している物品も規制したため(正規の)輸入業が停止し、非正規貿易取引が増加しているということが事業主への調査で分かった。
軍によるクーデターの後1年以上の間に基本的な物価が過度に値上がりしていることに対し、収入の少ない国民のみならず豊かな人までもが苦しんでいる。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(SA) )
( 記事ID:6478 )