WHO「各国は、ベトナムから新型コロナウイルス感染症対策の経験を学ぶことができる」


WHOベトナム事務所の代表は次のように強調した。「世界各国は、ベトナムからコロナウイルス感染症対策の経験を学ぶことができるでしょう。この教訓を活用して、他のパンデミックに対処する必要があります。」



ベトナムにとって、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）対策に費やしてきた2020年から2021年と、2022年の9カ月間の2年以上の時期とは、好機と利益よりも困難や課題のほうがはるかに多く、また世界と地域の情勢も複雑に変化する状況にあった。現在までにベトナムは、感染症の抑え込みに成功し、あらゆる側面からしっかりと安定を維持するとともに、経済成長を推し進め、急速な回復と持続可能な発展に向け着実なステップを踏んでいる。

COVID-19対策の評価について、WHOのベトナム事務所代表であるアンジェラ・プラット博士は次のように述べている。「ベトナムは感染症管理の点で非常によい働きをしました。COVID-19が発生した直後、ベトナムは感染症に対処すべく強力な社会的および公衆衛生上の各種措置を講じたのです。」

アンジェラ・プラット博士は、その証左として、▽クラスターや症例を早期に発見し対処する能力、▽観察と検査の能力、▽厳格な国境での管理体制とソーシャルディスタンスによってウイルスの感染を抑制したこと、▽マスク着用といった個人が自らを守るための行動を遵守したこと、▽適時に医療が提供されたことを挙げた。これらすべての措置により、パンデミックにおける感染者数と早期死亡者数を低く抑えることができた。

アンジェラ・プラット博士によると、ワクチンが普及し始めたときから、ベトナムはワクチン接種を展開し、いち早く高い人口カバー率を実現した。ベトナムに向かった2億6千万回のワクチンが接種され、ベトナムはワクチン接種率が世界で最も高い国の一つとなった。

2021年の時点では、2回接種した割合は人口の16%のみであったが、現在その割合は85%を越えている。この驚くべき結果はすべて、政府のリーダーシップと責任感の賜物である。ベトナムは、第128号決議を含む政策やガイドラインを適時かつ適切に行った。それと同時に、非常に厳しい社会隔離の時期を含めたコミュニティの努力と犠牲に依るものである。ベトナムは首尾一貫して各措置を整備し、またそれら政策を効果的に施行した。

「一つの重要な要素は、医療部門が疲弊しなかったことです。各部門からの支援を得て、彼らは昼も夜も休むことなく働きました。私が特に記録しておきたいことは、医療従事者たちの努力と献身です。」と博士は述べた。

WHOベトナム事務所の代表は次のように強調した。「世界各国は、ベトナムからコロナウイルス感染症対策の経験を学ぶことができるでしょう。この教訓を活用して、将来発生し得る他のパンデミックを迎え撃つ準備をし、これに対処する必要があります。」

WHOは、ベトナムは最初にワクチンを展開した国ではなかったものの、ワクチンを効果的かつ適切に使用する戦略を有し、それを政治機構全体と国民が実施することをコミットして、ワクチン接種を進めたと評価した。

COVID-19は、前例のない感染症であり、これまでも、そして今もって人々の生活、経済、文化、社会に影響を与え続けている。現在までに、全世界で6億1200万人以上が感染し、650万人以上が死亡した。

感染症発生以降、ベトナムでは1,148万3,529人が感染し、230の国・地域の中で13番目に位置する。また、人口100万人当たりの感染割合については、ベトナムは230の国・地域の中で115番目である。（100万人毎の平均感染者数は11万5,631名である。）

感染者の死亡割合の世界平均が約1.2%である一方で、ベトナムは0.02%である。

ベトナムにおけるCOVID-19による死亡者総数は、230か国・地域の中で26番目である。人口100万人当たりの死亡者数は230か国・地域で138番目である。ヨーロッパ各国と比較すると、死亡者総数は49か国の中で7番目（ASEANでは3番目）、人口100万人当たりの死亡者数では49の国・地域の中で28番目に位置している（ASEANでは5番目）。

10月5日までに、ベトナムは、2億6,000万人回以上のワクチン接種を安全に効果的かつ科学的根拠を以て展開してきた。12歳以上の人でワクチンを1回または2回接種した人の割合は100％に達し、18歳以上の人でワクチンを3回または4回接種した人と5歳以上12歳未満の子供でワクチンを1回接種した人の割合についても目標を達成した。


【写真②】アンジェラ・プラット博士－WHOベトナム事務所代表 （写真：VGP）

Tweet

この記事の原文はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:鶴田愛 ）
（ 記事ID:6520 )