インターネットの遮断により経済的な損失は30億米ドル近くある
2023年02月03日付 その他-ミャンマーナウ紙 紙
1月21日ヤンゴン市内で開催された中国春節の式典にて、軍評議会報道官で情報省副大臣のゾーミントゥン准将と夫人(写真:AFP via Getty Images)
ミャンマーでインターネットが規制、遮断された影響で2021年の経済的な損失金額が28億米ドル、2022年には2億4140万ドルある、とイギリスを拠点とするTop10VPNのレポートにより明らかとなった。
2023年1月24日 トゥーアウン
クーデター軍評議会のインターネットの遮断によって、ミャンマー国内で2年間の経済的な損失は30億米ドル近くあると、今月初頭に発表されたレポートにより伝えられた。
選挙での有権者名簿の不正を理由としたクーデターのあと、軍は軍に対する反対活動を妨害するためにフェイスブックを含む多くの人々が利用するSNSのウェブページやウェブサイトを閉鎖した。さらに場所や地域ごとにインターネットも遮断された。
ミャンマーではインターネットの遮断によって昨年2022年に経済的な損失が2億4140万ドルあり、2021年には損失が28億ドルにまでのぼっているとインターネットセキュリティとVPNレビューにかかわるTop10VPNが今月3日に発表したレポートによって伝えた。
同団体のレポートによるとミャンマーは2021年にインターネットを遮断したことでの経済的な損失が第1位であり、2022年には第4位であった。ミャンマーは損失額でロシア、イラン、カザフスタンに次ぐ第4位であるが、世界で最長のインターネットの規制、遮断がなされた国となった。
2016年に創始されたイギリスを拠点とする同団体は、2019年から世界それぞれの国のインターネット遮断状態を監視しており、毎年レポートが発表されている。
軍評議会のインターネット遮断により、クーデター後、銀行業務は停止し、現金自動支払機(ATM)からお金を引き出すことが難しくなった。ニュースサイトやフェイスブックを含む多くの人が利用するSNSページを現在まで停止している。国内のインターネット利用者はオンラインでの活動の足跡を隠すことができるVPNと呼ばれる特殊なネットワークの一種を使わざるをえない。
反抗する人を自由に逮捕し処罰することができるよう、軍評議会は法律を改正したほか、インターネットを規制、遮断するために、通信会社に圧力をかけている。
そうした状況により、ミャンマーで1800万人以上の利用者がいるノルウェーを拠点とするテレノール・コミュニケーション・カンパニーは完全に撤退したのと同様、いまだ残っている国際通信会社のオレドーも完全に売却して撤退しようとしている。
クーデター軍評議会はインターネットを規制、遮断しているほか、モバイル端末用SIMカードの登録と通信ネットワークの傍受技術も使用している証拠がある。
イスラエルの会社であるコグナイト・ソフトウエアはクーデター前から、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体に対し通信傍受ツールを販売する入札に成功していたことを、軍の人権侵害を明らかにしているジャスティス・フォー・ミャンマーが数日前に発表した。
長期にわたるインターネット遮断によって経済事業だけでなく、教育や他の社会関連事業でも運営の妨げとなっている。
大量殺戮を隠蔽するために、ミャンマー軍はインターネットを遮断していると国連の特別報告者トーマス・アンドリューズは昨年7月に報告している。
「報道記者、人権監視員や人道支援団体から、軍の人権侵害の証拠を入手できないようにインターネットを規制、遮断しているのだ」
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( 翻訳者:N.Y. )
( 記事ID:6610 )