賃金引き上げを要求したリーダー7人が解雇される
2023年06月14日付 その他 - イラワジ 紙
問題が発生したシュエピーダー区タードゥーカン工業地区にあるHosheng 縫製工場 写真:ミャンマーレイバーニュース
問題が発生したシュエピーダー区タードゥーカン工業地区にあるHosheng 縫製工場 写真:ミャンマーレイバーニュース

2023/6/14

ZARA , Inditexに始まるブランド品の縫製を行っているシュエピーダー区タードゥーカン工業地区にあるHosheng縫製工場において、賃金の引き上げを要求したところ、労働者のリーダーである7人を解雇し、1人を軍のシュエピーダー尋問所へ連行したことが分かった。

上記の縫製工場の労働者は日給4800チャットに代わり5600チャットを支給するようにと6月8日に要求を行い、6月10日に訴えを率いた労働者のリーダー7人を解雇したと工場が文書を発行したことが、労働者から分かった。

そのように労働者のリーダー7人を理由もなしに解雇したため、工場にいる労働者600人以上が昨日(6月14日 訳者注:おそらく13日の間違いか)職場に入らず工場にある食堂でストライキを行ったこと、一部関係当局者と兵士が到着し労働者7人が解雇されたことに関連する協議を本日(6月14日)行うと言ったことが分かった。

予定通り本日、労働者のリーダーと協力者がシュエピーダーにある総合行政局事務所に行ったところ、きっちりとした解決策はなく労働者のリーダー7人の内、女性一人をシュエピーダー尋問所へ質問があるとして連行していったことが分かった。

ある労働者は「どのように脅迫するかというと、自分の仕事を自分でしろという。実際に手は出さないものの労働者に対して酷い言い方をしていた。労働者のリーダーにとっては危険だ。今日も事務所で会うという約束の帰りに、労働者に質問があるから警察に少しついてくるように言って、(実際には)尋問所に連れて行った。聞くことがあるのでと言って連行した」と述べた。

前述の労働者7名のうち男性が3名、女性が4名で、尋問所に連れて行かれた女性がリーダーのようだったので、軍は質問があると言って連行し、現在までその女性と連絡がとれないことが明らかになった。

ミャンマーレイバーニュースが発表した前述の問題解決協議の場での音声ファイルの中で、軍所属と推測できるある人が労働者に怒鳴っていて、現在の地域は軍政統治地域であること、軍政統治下ではどんな(労働)組合も存在しないと脅迫した。

Hosheng工場の発表では、前述の労働者7人が工場内の落ち着いている状況に対して騒動を起こすことを目的として扇動を行ったこと、工場長を脅迫したこと、製造が減少するよう意図的におこなったこと、のため解雇したことを明らかにしている。

Hosheng工場のある従業員は「経過は以下のとおりだ。8日は私達が賃上げ要求をするため労働者と相談した。9日になると労働者リーダーを解雇すると言う情報が出てきた。10日になると通常通り出勤した。7人のうち6人が出勤した。退勤時には彼らを工場の事務所に呼んだ。解雇書類をもって解雇した」と述べた。

そのように仕事を追われた労働者は、工場内で何か過失を犯したわけでもないのに理由なく仕事を追われたため。何らかの解決策を求め、解雇の慰謝料や賠償を求めたいのではなく現場で仕事をしたいのだと語った。

先述のHosheng 工場は労働者数千人で稼働している工場で、以前にも労働争議があったことが労働者から分かった。

労働問題を扱うある人は「経営者は現在の政情で利益を出すことだけ考えて行動している。軍も労働者の立場(権利)を認めないなら現場でも実際に認めないと言えるだろう。国際的には表面上労働者の権利を認めているというが、現場では実際には認めないという行動をしているのが分かる」と考察している。

軍事クーデター以後、国内の工場のいくつかは労働争議が発生したとき、軍を呼んで圧力をかけ脅すようなことをするようになった、と前述の労働問題を扱うある人と労働者らが述べた。

軍事クーデター後、2022年国際労働機関(ILO)の報告書によるとミャンマーの人口のうち160万人が失業してしまい、そのうち30万人を超える労働者が縫製工場労働者であることが示されている。

2022年の国際労働組合総連合(ITUC)の世界労働権利指数で、ミャンマーは労働者の権利侵害をしている国のうち世界でワースト10に入る。

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( 翻訳者:A.K, K.T, K.Y )
( 記事ID:6692 )