ベトナムとアメリカは、確実で、調和のとれた貿易を推進する


チン首相は、アメリカに対し、ベトナムの輸出品、特に農産物や木材製品に対するダンピングや助成金を防止するための課税措置やその他の必須ではない措置の適用を制限するよう求めた。



４月１５日、政府本部にて、ファム・ミン・チン首相はアントニー・ブリンケンアメリカ国務長官を応接した。

ファム・ミン・チン首相は今回の訪問を歓迎し、両国のこれまでのいくつかの接触・協議、特にグエン・フー・チョン書記長とジョー・バイデン・アメリカ大統領との成功裡に行われた電話会談（2023年3月29日）とともに、両国関係の発展を鮮明に証明するものだと述べた。

この機会に際して、チン首相はジョー・バイデン大統領やアメリカの指導者らに対し心からのメッセージを送った。

チン首相は、ベトナムは独立、自主、平和、友好、協力、発展、各関係の多様化と多国間化、主体的で積極的な国際統合の外交路線を堅持し、そして、友人、信頼のおけるパートナー、および、国際社会において積極的で責任あるメンバーになる準備が出来ていることを確認した。ベトナムはどちらか一方の側に付くことを選ぶのではなく、正義と道理を選ぶ。

ベトナムは、アメリカをトップレベルの重要なパートナー国の一つとしてみなし、独立、主権、領土保全、そして、それぞれの政治体制を尊重した上で、アメリカとの全面的なパートナーシップ関係を促進することを望んでいる。

ブリンケン国務長官は６年ぶりにベトナムを再訪問出来たことへの喜びを表し、バイデン大統領からベトナムの政府指導部へのあいさつの言葉を伝えた。そして、アメリカはベトナムとの関係を重要視し、独立、主権、領土保全、それぞれの政治体制を尊重する原則の上で、「強靭、独立、自強、繁栄」のベトナムを支持することを確認した。

両国は、これまでの関係における特筆すべき功績を振り返り、ベトナム・アメリカ関係が全面的に発展し、日々安定し、実質的なものとなり、深まり、両国に実効的なメリットをもたらし、地域と世界の平和、安定、協力、発展に貢献してきたとの評価で一致した。チン首相はアメリカがベトナムに新型コロナワクチンを援助してくれたことに対し、心から感謝の意を示した。

ブリンケン国務長官は、新型コロナウイルス感染症パンデミックへの対応において、ベトナムによるアメリカへの医療関連の設備や物資の迅速なサポートに対して感謝した。双方は、両国が外交使節団・領事機関の公館の建設、改修および修繕の条件に関して合意に達したことに対し喜びを表明するとともに、二国間関係のより広範な発展にふさわしい新たな公館が早期に完成することを期待した。

チン首相は、ハノイでアメリカの新大使館の着工式が行われたこと祝した。

二国間関係をより深め発展させるために、チン首相は、各レベルでの代表団の交換や接触を強化するよう提案した。

チン首相は、米国政府に対し、戦争の後遺症を克服するための協力推進でベトナムを支援するとともに、貿易・投資、科学・技術、教育・訓練、国防・安全保障といった重点分野、さらには、デジタル経済、GX（グリーントランスフォーメーション）、循環型経済、イノベーション、気候変動対策、サプライチェーンの安定、インフラ開発等の新たな分野における二国間協力を継続支援するよう求めた。

チン首相は、双方が確実で調和のとれた貿易に向けた協議を促進する努力を続ける必要があると強調するとともに、アメリカに対し、ベトナムの輸出品、特に農産物や木材製品に対するダンピングや助成金を防止するための課税措置やその他の必須ではない措置の適用を制限するよう求めた。それらは、人々の仕事や生計に直接影響を与えているという。

チン首相は、アメリカに対し、220万人の在米ベトナム人の積極的で創造的なコミュニティが引き続きアメリカ社会に統合し、現地の法令を遵守し、二国間関係の発展に貢献できるためにも、便宜を図り、機会を与えるよう要請した。

ブリンケン国務長官は、双方にはまだ多くの協力の余地があり、両国のハイレベルの指導部が既に合意した原則に基づいて関係を引き続き促進する必要があることで一致した。ブリンケン国務長官は、ベトナム・アメリカ関係が今後、益々広範で、安定的で確実なものになるよう引き続き促進し、その中でも、チン首相が言及した柱となるものや領域を特に重視すると強くコミットした。

双方は、共に関心を寄せている地域と世界の各問題について共有した。チン首相は、アメリカがアジア太平洋およびインド洋、そして世界で平和、安定、協力、発展の維持のために貢献する積極的な役割を担い続けることを歓迎した。そして、アメリカに対し、ASEAN・アメリカ包括的戦略的パートナーシップ関係やメコン・アメリカ・パートナーシップ関係の枠組みの中で引き続き協力し、南シナ海における安心、安全、航海・航空の自由を保障し、気候変動や国連の平和維持各活動（PKO）に対処していくよう求めた。

ブリンケン国務長官は、アメリカは地域との関係を引き続き強固なものにし、ASEANの中心的役割を支持し、メコン河流域諸国の非伝統的安全保障の課題への取り組みに対する協力と支援をさらに強化していきたいと確認した。


【写真①】ブリンケン米国務長官を出迎えるファム・ミン・チン首相
【写真②】ブリンケン米国務長官を応接するファム・ミン・チン首相

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（ 翻訳者:石塚鈴音 ）
（ 記事ID:6707 )