南シナ海:グローバルな課題に直面する多次元空間
2023年05月27日付 VietnamPlus 紙
【写真】パリのフランス上院で5月26日に開催されたシンポジウム「南シナ海:グローバルな課題に直面する多次元空間」に約120人が参加【国営ベトナム通信社配信】
南シナ海:グローバルな課題に直面する多次元空間
アレクサンドル・ネグルス(Alexandre Negrus)応用地政学研究所(EGA)所長は、南シナ海における紛争や緊張は複雑な問題の一つであり、暴発しやすく、世界のホットスポットに発展しうると述べた。
国営ベトナム通信社フランス特派員によると、5月26日、パリのフランス上院本部において、応用地政学研究所(EGA)の主催による南シナ海に関するシンポジウムが開催された。
シンポジウムには上院議員、外務省や内務省の専門官、国際関係、軍事戦略、国防政策を研究する専門家や大学院生、研究生など120人以上が参加した。そして、フランスやヨーロッパの学者、教授、法律家、ジャーナリストら14人が発表した。
シンポジウムは、「南シナ海:グローバルな課題に直面する多次元空間」というテーマで、以下の4つの具体的な側面が言及された。即ち、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)の光の下でのインド太平洋という空間、安全保障問題の核心としての南シナ海、インド太平洋地域:気候変動もまた危機の要因、そして、多様な地域の政治舞台とフランスの役割、である。
開会のセッションで、応用地政学研究所のアレクサンドル・ネグルス所長は、研究所がシンポジウムを開催すべく突き動かされた主な理由として、南シナ海が複数の危機が常に潜む地域である点を指摘した。
所長は、南シナ海における紛争や緊張は複雑な問題の一つであり、暴発しやすく、世界のホットスポットに発展しうると強調した。よって、フランスを含む各国もまた、南シナ海地域の役割や重要度、そして、直面している様々な危機や課題について、十分に認識する必要があるという。
シンポジウムは、問題を解決できるという野心を持っているわけではないが、シンポジウムを通じて、国際法、特に1982年の国連海洋法条約に関するより多くの情報の提供し、危機や緊張の緩和に貢献することを期待している。
シンポジウムでの各意見は、最新で客観的な情報を提供し、南シナ海で起こりうる消極的な動きについて、国際世論に警告するものであった。
同時に、発表者らは、南シナ海地域における平和、安定、安全、航海の自由を保障することの重要性、1982年の国連海洋法条約や2002年の南シナ海における関係国の行動宣言(DOC)のような地域内の各国のコミットメントの尊重と履行の必要性を強調した。
また、シンポジウムでの各意見は、フランス、欧州連合(EU)、そして、世界に対し、南シナ海地域での紛争や意見の相違は国際法を基礎とし、特に1982年の国連海洋法条約を尊重することで解決していくということにおいて、それぞれの役割を発揮するとともに、南シナ海地域に対し、すべての分野において協力枠組みを拡大するよう呼び掛けた。
気候変動は、シンポジウムにおいて留意すべき新しい内容の一つであり、また、特に、フランスの各社会階層がこの世界的かつ地域的な問題にとても関心を寄せているという背景もあり、危機の要因の一つと確認された
【写真】パリのフランス上院で5月26日に開催されたシンポジウム「南シナ海:グローバルな課題に直面する多次元空間」に約120人が参加【国営ベトナム通信社配信】
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( 翻訳者:熊谷青駒 )
( 記事ID:6753 )