ベトナム国防省代表団、第20回シャングリラ・ダイアローグに参加


第20回シャングリラ国防・安全保障ダイアローグの枠組みの中で、ホアン・スアン・チエン上将は中国、オーストラリア、日本、シンガポール、カナダの国防省指導者らと会談した。　



6月3日午前、国際戦略研究所（IISS）が主催するシンガポールでの第20回シャングリラ国防・安全保障対話（シャングリラ・ダイアローグ20）が、41か国の国防・安全保障の指導者、学者や専門家らの代表550人以上の参加を得て正式に開幕した。

ホアン・スアン・チエン上将・党中央委員・党中央軍事委員会委員・国防次官を団長とするベトナム国防省の代表団が会議に出席した。

シャングリラ・ダイアローグ20には7つの全体会議があり、インド太平洋地域における米国の指導的役割、安定し均衡のとれたアジア太平洋地域の構築、地域の緊張の解決、中国の新たな安全保障アジェンダなどに関し、国防・安全保障の指導者や専門家がスピーチを行い、議論する。

シャングリラ・ダイアローグ20ではまた、6つの特別セッションが開催され、サイバー空間での競争および技術競争における安全保障問題、アジア太平洋地域における軍事力開発における課題、地域の安全保障に対する核の危険性と課題、アジア太平洋地域におけるサブ多国間メカニズムとASEANの中心的役割とのバランス、インド洋地域における国防協力の傾向について議論される。

6月2日から4日までの3日間で開催された今年の国防・安全保障ダイアローグは、米中の競争と対立、ウクライナ紛争が影を落とし、潜在的に地域の安全保障環境に大きな課題をもたらす可能性がある。

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は6月2日夜の基調講演で、主要国に対し、「外交の凍結」を避けるよう呼び掛け、各国は米中関係のさらなる悪化を阻止するためにも「ガードレール」を築くために全力を尽くすべきだと訴えた。

シャングリラ・ダイアローグ20の枠組みの中で、ホアン・スアン・チエン上将はダイアローグに参加している各国の国防省の指導者や代表団の団長と会談した。

中国の李尚福・上将・国防相との会談において、ホアン・スアン・チエン上将はベトナム国防相の挨拶を伝え、李国防相のベトナム公式訪問を招請した。　

両代表団長は、二国間の防衛協力関係はこれまで、あらゆるレベルの指導者によって関心をもって推進され、ますます現実的なものとなり、両国の包括的戦略的パートナーシップ関係および善隣友好関係の重要な柱の一つとなっていると確認した。 また、 両国は2023年の防衛協力活動を適切な時期に実施するために調整する用意があるとも確認した。

李尚福上将は、二国間の防衛協力関係は、両国の高級指導者が合意した共通認識に従い、特にグエン・フー・チョン書記長の中国公式訪問後、引き続き実践されていると強調した。

ホアン・スアン・チエン上将は、双方が、代表団の交換、国境・海域の管理と保護など各分野の協力関係の実施に向けた調整を積極的に行うとともに、第8回ベトナムと中国の国境国防友好交流や国防戦略対話、その他の協力活動を早期に開催するよう求めた。

オーストラリアのリチャード・ドナルド・マールズ副首相兼国防相との会談で、双方は最近の二国間協力が、代表団の交換、人材養成、海上の安全保障など、あらゆる分野で新たな発展を遂げていることで一致した。特に国連の平和維持活動における協力があり、中でも2023年4月のデイビッド・ハーレー・オーストラリア総督のベトナム平和維持局訪問は特筆すべきものであった。

会談で、オーストラリアの副首相兼国防相は、2022年11月のベトナム公式訪問の良い印象を共有した。

両国国防省の首脳は、今後も両国が署名した分野における協力関係を引き続き効果的に実施していくことで合意した。当面は、平和維持パートナーシップに関する合意の署名を推進、防衛協力の推進に関する共同ビジョン声明を更新する。

ホアン・スアン・チエン上将は、ベトナムの第2級野戦病院の国連ミッションへの輸送を支援したオーストラリアに感謝の意を伝えた。リチャード・マールズ副首相兼国防相は、6月末にはオーストラリアがベトナムの第2級第5野戦病院の南スーダンへの輸送を支援すると確認した。

日本の岡真臣 防衛審議官との会談において、双方は2023年3月の防衛政策対話の結果の実施を高く評価した。両国は、防衛装備品や技術の移転、国連平和維持における協力を含め、防衛関係の継続的な発展を確認し、喜びの意を表明した。

両首脳は、ベトナムと日本が共同議長を務める国連平和維持活動に関するADMM+専門家グループなどの定期的な枠組みの中での活動をうまく調整するなど、引き続き努力していくとで合意した。

ホアン・スアン・チエン上将は、日本の防衛省に対し、訓練や、現場経験および装備の共有などの面において、ベトナムの平和維持局との継続的で効果的な協力、支援を求めた。

シンガポール国防省の幹部らとの会談で、ホアン・スアン・チエン上将は、協議・対話のメカニズムの維持、経験の共有、救難救助協力など、各国との防衛協力関係を実質的、効果的に推進するとともに、協力文書の調印を推進し、国際および地域の国防安全保障に関するメカニズムやフォーラムで引き続き相互支援を調整していきたいと希望した。

カナダのピーター・ハマーシュミット国防副次官補との会談で、ホアン・スアン・チエン上将は、カナダ国防省指導部に代わりピーター・ハマーシュミット副次官補が会談で提示したいくつかの提案に留意した上で、双方が引き続き、経験を交換するため、各レベルの国防代表団の交換を維持するとともに、2023年中の両国の国防次官級の国防政策対話の開催や重要な協力文書や計画の署名に向け、二国間の国防協議を効果的に組織し、さらに、国連の平和維持活動や、人材養成や軍事医療などの潜在的な分野での協力を実施していくよう求めた。


【写真①】シャングリラ・ダイアローグ20の開会と討論のセッションに出席したホアン・スアン・チエン上将・国防次官（VNA）
【写真②】6月2日夜、中国の李尚福国防相と会談したホアン・スアン・チエン上将（VNA）
【写真③】6月2日夜、リチャード・ドナルド・マールズ副首相兼国防相と会談するホアン・スアン・チエン上将・国防次官（VNA）
【写真④】6月3日、日本の岡真臣防衛審議官と会談するホアン・スアン・チエン国防次官（VNA）

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（ 翻訳者:東野仁音 ）
（ 記事ID:6758 )