イギリス、不法移民に関するメディアキャンペーンをベトナムで開始


このメディアキャンペーンを通して、イギリス当局は、イギリスへ不法入国する際のリスクを警告するとともに、人身売買ネットワークの手口を広く知ってもらいたいと望んでいる。



3月25日、イギリス内務省はアルバニア、フランス、ベルギーでの同様のプログラムの成功を受けて、不法移民に関するメディアキャンペーンをベトナムでも開始した。

ロンドンのベトナム通信社記者によると、ベトナムでのメディアプログラムは、世界的な移民危機を解決するための国際協力キャンペーンで、イギリスの最新の取り組みである。

このプログラムを通して、イギリス当局は、イギリスへ不法入国する際のリスクを警告するとともに、人身売買ネットワークの手口を広く知ってもらいたいと望んでいる。

同様のキャンペーンは、他の優先度の高い国での実施もイギリス政府によって検討されている。

プログラムは、FacebookやYouTubeといったソーシャルネットワークを通して行われ、イギリスへの不法な移住の行程で移民が直面しなければならない危険が発信される。

ソーシャルネットワークに掲載された記事には、イギリスに不法入国した人々の実情や、現代の奴隷として売られて不法入国する人やイギリスに連れてこられ不法労働を強要させられたりする人々と恒常的に接する内務省の国境警備隊や移民執行局の職員のコメントが紹介されている。

記事には、イギリス海峡（英仏海峡）を渡り、危険に直面した移民を救出した際の移民執行局や国境警備隊の職員の体験を紹介するビデオが掲載されたウェブページへのリンクも張られている。　

イギリスのジェームズ・クリバリー内務大臣は、昨年のアルバニアでのメディアキャンペーン成功を受け、イギリスは、人身売買活動から利益を得る犯罪ルートを徹底的に破壊するため、不法移民問題の解決におけるイギリスの重要なパートナーのひとつであるベトナムにプロジェクトを拡大することにしたという。　

来る4月17日には、両国の高官らが移民問題での協力強化策について協議するため、ロンドンで会合を行う予定である。

イギリス内務省によると、組織化された犯罪グループは毎年、ベトナムをはじめ世界各地から何千人もの人々を小さな船でイギリス海峡を越え、イギリスへ連れてくるという。

2022年から2023年の2年間だけでも、7万6000人もの人々が上記のルートでイギリスに渡ってきている。2023年に海峡を渡る過程で死亡した人の数は前年の3倍に増加した。

不法入国する多くの人々は、人身売買組織によって窮屈で危険な条件下での生活を強いられ、基本的な衛生環境や健康を守るサービスにもアクセスできず、合法的な労働に就くこともできない。

2022年12月、リシ・スナク首相は、移民に関する組織犯罪対策を実施する国家犯罪対策庁（NCA）への経費を2倍に増やすことを発表した。

イギリス政府はさらに、イギリスに定住する権利を持たない人々を直ちに国外退去させることが可能になる、不法移民に関する新たな法律を公布した。


【写真】イギリス内務省、不法移民阻止を目的にベトナムでソーシャルメディアキャンペーンを展開“あなたは、海に飲みこまれてしまう”　（UK News）

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（ 翻訳者:遠藤花愛 ）
（ 記事ID:7076 )