軍、選挙前にロイコー近郊の避難民に帰還を説得
2025年10月15日付 その他 - DVBビルマ語紙 紙
カレンニー(カヤー)州ロイコー市周辺の戦災避難民に対し、軍事評議会の軍は、今年12月の選挙まで前に、故郷に帰還するよう説得している。
12月に予定されている選挙の第1段階を、カレンニー州の州都ロイコーとボーラケーの2つの市での実施に向けて軍事評議会が準備を進めている。
そのため、この数日間、地区行政長らがロイコー近辺の侵攻を受けた村の避難民たちに対し、選挙までに帰還するよう呼びかけ、住人が戻らない家を差し押える旨を、通告していることが避難民らの証言から分かった。
ディーモーソーの避難民は次のように語った。「ディーモーソー、ドーガンカーの東側一帯は全員家に帰還させているんだ。戻らない家は封鎖して差し押さえるという脅しもある。また、パヤーピュー、パヤーニー一帯も。ロイコーのためにそのあたり一帯も帰還させている。彼らは(私たちを)戻ってこさせて、自身の手中に収めておいて、彼らのやりたいようにするんだ。今のところは国民を丸め込もうとしているんだ。」
シャン州とカレン州の州境のペーコン側でも同様に避難民を帰還させ、モービェーとパーサウン側から逃れてきた避難民も、選挙人名簿の確認と投票のために帰還できるよう軍側が責任を持つとして、難民キャンプ巡回し呼びかけている。
カレンニー州の暫定執行評議会(IEC)の統計によると、クーデター以降の4年超で、カレンニー州には約25万人の避難民と400以上の難民キャンプが存在する。
ロイコーの避難民は、「避難民が多勢いるんですよ。ペーコン地域、モービェー地域、それからパーサウン出身者もここに避難しています。それぞれの地元ごとに、パーサウンから投票し、モービェーから投票し、ペーコンから投票するのですが、避難民は皆ここから投票しなければならないんです。最近グエタウンでは、先日の会合に避難民が呼ばれました。地区行政長が会合に出席しなければならなかったんです。会合では、グエタウンに戻っても大丈夫だ。電気も整備している。戻ってきたら何も心配はいらない。自分たちが自宅まで送り届けると、彼らはそんな風に言っていました」と話す。
総選挙が実施される州都ロイコーでは地区役所に選挙人名簿が掲示されており、一世帯につき一人が必ずそれを確認し、投票するよう呼びかけを始めている。
ナーナットーのような地区を除くロイコー市内の大半の地区では人々の暮らしは平常に近い状態に戻っており、現在のロイコー市内の状況を市民が次のように説明している。
ロイコー市民は「自分たちの地区の中でさえも人々は声をひそめて暮らしている。私たちはうつむきながらも、独裁者が嫌いだから、抵抗しているのだ。しかし、どうすることもできず地元に戻って、独裁的な支配の下で黙って暮らさざるを得ないのだ。喧嘩となったり、言い合いになった時、常に軍と警察が偵察しているから、折悪くその耳に入れば、場当たり的に連行される。そして金銭を支払って引き取らせるのだ。お金を欲しいと言うことも彼らの主な目的の一つだ。300万チャットで引き取らせたり、200万チャットで引き取らせたり、額は色々だよ。払えないやつは罪をでっち上げて殴ったりもするんだ。運が悪ければ軍に入隊させられることさえある。そんな調子だよ。」と語った。
軍は12月に開催される選挙に向けて、これまでに奪われた土地に対し、大挙して攻撃をしかけている。
ロイコー市東部、ディーモーソー郡、フルーソー郡、ボーラケー郡およびカレンニ・シャン国境のペーコン側において、軍・パオ民族機構(PNO)連合軍が5ヶ所で開戦し、革命連合軍と連日戦闘を行っているとKNDFが発表した。
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( 翻訳者:Y.S,HR.M,HN.M,Y.Y )
( 記事ID:7204 )