大統領がシナブン火山を国家的災害としない理由

2014年02月04日付 Kompas 紙
北スマトラ州カロ県シビントゥン村にてシナブン山噴火による火山灰の雨の中オートバイに乗る住民たち(1月16日)。
北スマトラ州カロ県シビントゥン村にてシナブン山噴火による火山灰の雨の中オートバイに乗る住民たち(1月16日)。
マジャレンカ、kompas.com
スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、先週の噴火で15人の死者を出した北スマトラにあるシナブン山のその後の状況を注意深く見守っている。
アンタラ通信によると、大統領のスポークスマンであるジュリアン・A・パシャ報道官は、「大統領は、シャムスル・マーリフ(国家防災庁長官)からの報告を継続して受け取っている。今日はシナブン山の噴火は依然として続いているとの報告があった」と大統領の西ジャワ訪問に同行した際にマジャレンカで語っている。
国家防災庁(以下BNPB)長官によると、近日では焦げた自動車はいくつか見つかったものの、すでに発見された15人の被害者を除いては新たな死者は発見されていないとジュリアン報道官は話す。
また「先ほど、被災者の捜索活動は、活動の継続が難しい状況にあったために、一時的に中止されたという報告を受けた」とジュリアン報道官は述べた。
ジュリアン報道官は大統領がシナブン山の火砕流によって亡くなった15人の方に追悼を捧げたこと伝えた。いっぽう、大統領は避難所にいる市民にBNPBの指示に従うようことも求めている。
「まだ非常に溶岩噴火の危険性があると見なされている地域には近づいたり戻ったりしないように、依然として警戒し、BNPBの指示に従うように」と大統領は語っている。
ジュリアンはさらに、大統領が国家防災庁の任務として犠牲者の救助活動や対応を行うようBNPB長官に命令したと付け加えた。
またこの機会にジュリアン報道官は、中央政府の援助を受けた地方政府の対応がまだまだ円滑にすすんでいるため、政府はシナブン山の溶岩噴火を緊急な国家的災害として定めていないと説明した。
「我々はカロ県、もしくは北スマトラ州のいずれのレベルにおいても行政が円滑に機能していることを了解している。重要なことは、中央政府と地方政府の間の調整を継続して円滑にはかることだ」と同報道官は語った。
先週、シナブン山の火砕流により、15名の死傷者が出た。15名の犠牲者は、住民の侵入が禁止された危険区域で発見されたと伝えられている。
火山地質防災センターは、半径5㎞以内ではいかなる住民の活動も行われるべきではないと勧告している。半径3㎞から3.5㎞以内の危険区域には5つの村が存在する。すなわち、スカメリア村、ブクラッ村、シマチュム村、シガランガラン村、スカナル村だ。


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翻訳者:北森理佐
記事ID:574