1998年トリサクティ大学学生狙撃事件:犠牲者家族は次期政府に究明を要求

2014年05月12日付 Kompas 紙
12日、西ジャカルタ市のトリサクティ大学Aキャンパス内にある1998年5月12日暴動の慰霊碑に献花する参列者ら。
12日、西ジャカルタ市のトリサクティ大学Aキャンパス内にある1998年5月12日暴動の慰霊碑に献花する参列者ら。
ジャカルタ、kompas.com配信
1998年5月12日に起きた当局によるトリサクティ大学学生狙撃事件の犠牲者遺族らは次期政府がこの悲劇の真相解明を行うことを要求した。遺族らは事件の真相が解明されることを現在もなお確信している。
去る12日、トリサクティ大学のキャンパス内で、ヘリー・ハルタントさんの母親、ラスミアティさんは「次の政府はこの事件をはっきり解明し、公開する責任を負っています」と述べた。ヘリー氏はこの悲劇により犠牲となったトリサクティ大学の学生のうちの一人である。

ラスミアティさんは悲劇から既に16年経過しているのに、政府は未だに事件を解明できていないと述べた。同氏は政府はただ犠牲者遺族に対し解決の口約束をしただけだと考えている。
ラスミアティさんは、政府はたしかに自らの息子に対して名誉の勲章の授与という形で褒賞はしたと述べる。しかしながら、同氏は政府に対して、上述の事件の徹底した捜査の遂行を依然として強く求めている。
ラスミアティさんは人権運動の活動家らと共に政府に対して何度も行動を起こし、告訴を起こしてきた。しかしながら、この事件は袋小路に迷い込んだ様子だ。「(事件は)すでに最高検察庁にまで届いたのに、国家人権委員会に逆戻りした」と同氏は述べた。
ラスミアティさんは新政府に、この事件を解決する大きな期待を寄せている。新しい指導者の存在をもって、同氏は、この事件の真実が明らかになることを期待している。
「私は真実が明らかにされるよう、神を信じている」とラスミアティさんは述べた。
今日トリサクティ大学では、5月12日の悲劇から16年目を記念して、Aキャンパスの駐車場にある旗竿に半旗を掲揚する式典が行われた。この儀式はトリサクティ大学の学長あるトビー・ムティス博士がした儀式を執り行った。

式典では、トリサクティ大学で1998年5月12日に起きた悲劇において、この大学の4人の大学生が射殺された場所で追悼のための花撒きが行われた。死亡亡した4人の大学生は、ハフィディン・ロヤンさん、エラン・ムルヤ・レスマナさん、ヘリー・ハルタントさん、ヘンドリアワン・シーさんらである。

*トリサクティ大学学生狙撃事件とは、1998年5月12日、当時のスハルト大統領の退陣を求めてキャンハス内で平和的デモを行っていたトリサクティ大学学生に当局が発砲、4名が死亡、数十人が負傷した事件。


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翻訳者:長野太一朗
記事ID:711